言語系の話し合いから 幼少中+大 国・英 のコラボ

9年前をスタートに,勤務校では,併設する幼小中(特別支援)+大が連携した研究を行っています。

 

大を中心に,数学系,自然系,健康系など,近しい教科が連携し,校種を超えてそれぞれが設定した共通のテーマで研究をしています。

 

特別支援系は各校種の特別支援チームを交え,特別支援系として活動しているので,我が言語系は,国語+英語に,幼稚園の先生を交えてディスカッションをしています。

 

2年前からの2クール目の研究テーマは,教師と生徒のやりとりに着目し,特に,

 

・↓ 教師の発問や投げかけ

・↓ 児童・生徒の反応

・↓ 教師の反応

 

の流れの中で,「教師の反応」に焦点を当て,実際の授業でどのような反応を教師がしているかを分析していくことになりました。

 

今回は,英語科の2名の授業の中で,生徒と教師がinteractionをしている部分を抽出・編集したビデオを視聴しました。

 

国語科や,小学校,幼稚園の先生方のために,発言内容がテロップで流れるようになっています。

 

また,以下の2つの視点で分析をしたtranscriptionも添えられました。

 

・MERRIER Approach(信州大学 渡邉・酒井ら)

・IRF(discoural) Cullen(2002),Taylor&Fu(2006),渡辺・太田(2012)

 

上は,英語によるインプットを,生徒にとって理解可能なものにしていくための分類です。

 

下は,教師の反応を分類するものです。

 

 

幼・小・国語科から寄せられたコメントは,興味深いものばかりで,自分の授業に関して客観的な見方をすることができました。

 

分析してもらったのは,公開研の授業です。言語材料はI think (that) ~.でした。

 

彼らの中に情報があるもので,多様な答えが出てくるものを,ということで,

 

What do you think about J-pop?

 

と投げかけました。Jポップについてそれぞれの生徒とインタラクションをした後で,ペアで対話をしてもらいました。

 

私のインタラクションの特徴は,

 

・自分が自己開示をし,それが生徒の発話のモデルになるようにしていること

 

・生徒の意見を引き出すために,1人の生徒と長いやりとりをすること

 

でした。

 

小学校の先生からは,生徒-教師が1対1でやりとりを続けていると,聞き手の一般の生徒(小では児童ですね)が授業の流れから落ちていく,という小学校での子どもたちの様子が報告されました。

 

話している内容が面白いので,私の授業では,聞き手の生徒たちは思いの他引き付けられて聴いていましたが,ただ,自分の傾向として,1対1での対話を,他に広げていくことが抜け落ちがちだと思っているので,改めてその傾向が再確認できました。

 

 

同僚のインタラクションは,私とは対照的でした。

 

私が生徒に,自分の考えを述べるように求めたことに対して,同僚は,事実を尋ねていく流れでインタラクションを行っていました。

 

インタラクションは個人から全体へ,全体から個人へと広がったり,戻ったりしていました。

 

私がwaiting timeを取りながら生徒の発話を待ったのに対し,同僚はテンポよくインタラクションを展開していました。

 

自分の授業はどうもnegativeに見てしまうので,自分が個人にとどまってやりとりを続けたことも,同じようにマイナスか・・・と思ってしまいましたが,大学の先生の指摘で,

 

・私の授業は,生徒が自分の考えを述べる(考えることが必要,自己開示も必要)やりとりのため,ゆったりとthinking timeを取られることは自然であり,マイナスではない

 

・同僚の授業は,事実をもとに展開しているので,生徒への思考の負担は少ないため,テンポよくインタラクションが進む

 

ということが出てきました。

 

 

なるほど・・・

 

 

ある意味,自然だった,ということが分かりました。

 

 

また,大学の国語科の教授からも,興味深い意見が出されました。

 

・J-popの話題は,実は,生徒が羞恥心を感じてしまう話題だったかもしれない。自分をさらけ出すことになる。(クラス分け後間もない,参観者が多数いる)

 

・教師(私)が自己開示をし,やりとりをしながら,少しずつ話題を共有し,生徒たちの心を開きつつ,対話を広げ意見を引き出している。

 

・発言する生徒が変わるたびに,対話が発展している。

 

 

そうか・・・。恥ずかしさもあったのか・・・。

 

また,自分が生徒たちに期待している表現レベルが,周囲の先生が考えているそれよりも,高めであったことが確認できました。

 

確かに,教育実習が終わった後の1週間,生徒たちのペアワークに意識して入ってみると,もっとできるのでは?・・・と感じてしまうことが続いていました。

 

今回の連携会議があったおかげで,日ごろの授業でのsmall stepsを再度見直すきっかけになりそうです。

 

疲れている中のディスカションでしたが,本当にためになりました。

 

お疲れ様でした!

 

 

次回は11月,国語の授業を視聴します!