1つの問いが、子どもを動かす! -昨日の反省を生かして

今日は木曜日、キャンパスデーですが、午前中に日課の変更があり、水曜日の授業が入っていました。授業はつぶしたくない!と思い、2時間授業をこなしてからキャンパスにやってきました。

 

昨日の投稿でも話題にした、教科書の内容を扱う授業、その進め方を1つだけ変えてみました。

 

開隆堂のSunshine 2 Program 9は、A Priest in a Maskという単元です。メキシコのある男が、不遇な少年時代を省み、神父となって自分と同じような不遇な子どもたちを教会で受け入れ、育てていく、という話です。

 

たくさんの子どもたちを育てる、ということは大変です。 ろくに教育を受けずに育ってきた彼にとっては、子どもたちを教えることは本当に難しかったし、さらに、育てるよりも大変だったのは、養育のための資金をどう捻出するか、ということでした。

 

元手のない彼が思いついたのは、メキシコのプロレス、ルチャ・リブレに飛び込み、ファイトマネーを得ることでした。

 

ルチャリブレ - Wikipedia

 

といっても、32歳でデビューをし、それまで体を鍛えていなかった彼に、たくさんのファイトマネーが入ってくることはありませんでした。

 

マスクを被って戦い、子どもたちにそのことを知らせずにいましたが、ある日、子どもの一人にそのことがばれてしまいます。

 

次第に世の中にも神父が子どもたちのために戦っていることが広まると、ファイトマネーが高くなっていきました・・・

 

というストーリーです。

 

彼の名前はSerigio Benitez、リングネームをFray Tormentaと名乗りました。

 


TRES CAIDAS: El auténtico SuperNacho/The real ...

 

この単元のセクション1では、不遇な子どもだった彼を描いているのですが、昨日は教科書の字面をそのまま追っていたのですが、今日は、少し、具体的な話をしました。

 

T :   You know, Serigio was a very bad boy.

SS : Yes.

T :   Why did he become bad?  How bad?

SS : ...

T :  He went to the shops and stole food, because he was always hungry. He also stole money from people. He had lots of fighting, too. He had no money. So, he needed to get some money to live.

SS : ...

T  :  S1, can you guess how many brothers and sisters he had?

S1 : Five?

T  :  Oh, you think he had five? No!

S2 : I think he had ten.

T  :   More!

S3 : I think he had twenty.

T  :  Really? That's too many. He had 17 brothers.

S4 : えー!

T  :  Yes. That was true. S5, can you be a good boy if you have 17 brothers and you are always hungry?

S5 : No...

T :   Is it easy to be a good boy?

S5 : No, it's difficult.

 

こうしたインタラクションを入れた上で、本文を聞かせ、ピクチャーカードを示しました。

 

教室の空気、そして、子どもたちの構え、目つきは昨日とは大きく違ったものになりました。

 

中学の授業でも、1つの問いが、子どもを動かすことを改めて実感しました。

 

うーん・・・ 昨日もできていたらよかったのに・・・

 

昨日の2クラス、ごめんな!

 

高校の教科書なら、中学に比べて字数制限も少ないため、豊かな素材・題材がたくさんありますね。 こうしたreferentialな問いを1つだけでも入れてみたら、授業の深まりが増し、そして、生徒が入り込むような時間帯がもっと生まれるのではないか、と思っています。

 

授業って深いですね!