文教大学の学生さんから ①

f:id:takaenglishteacher:20140322171448j:plain 一生懸命な学生さんたち

 

さっそく受講生だった学生さんからメールが届きました。

 

嬉しいですね!

 

学生時代から,こうして真摯に学ぶ姿は,本当にまぶしいです。自分の20年前が恥ずかしい・・・

 

一部を紹介すると・・・

 

 

文教大学国際学部国際理解学科阿野ゼミ所属の●●と申します。昨日はとても有意義な研修会を開いていただいてありがとうございました。先生のゴールを見据えた3年間の指導計画がとても勉強になりました。

 

そこで一つ質問があります。文法の教え方の事です。もうすでにやめてしまったのですが、大学1年の時から塾の先生のアルバイトをしていました。

 

主に英語を見させていただいていたのですが、文法の教え方がどうもうまくいかずに手こずってしまい、「どうのように教えれば生徒に納得してもらえるのか」ということについていつも考えていました。

 

これは将来教師になった時も必ず当たる壁になってくると思います。

 

T先生は普段からどのように文法の仕組みなどを生徒さんに教えているのでしょうか?

 

実際に英語を使いながら体で覚えていき、それを反復していくという方法なのでしょうか?

 

 

これ,気になりますよね。

 

実際教壇に立ったら,必ず考え,悩むことだと思います。

 

自分も,未だに悩んでいますので(苦笑)。

 

これがベストではないかもしれませんが,自分なりに返信したことを紹介すると・・・

 

 

 

 

さて,文法指導に関しては,確かに悩みますよね。

 

学校で,と,塾とでは環境が違うので,同じようにはいかないと思いますが,主に学校において,というスタンスで今やっていることを書いてみます。

 

 
1 文法事項との出会いを大切にする

 文法の形式だけにフォーカスするのではなく,

 ・どんな場面で使われるのか

 ・どんな意味を持っているのか

 ・どんな働きをするのか

 を抱き合わせていきます。

 

 具体的には,身近なトピックを設定し,その中で写真などを見せながら,教師がteacher talkをして自然に導入していきます。

 

 ビデオの授業なら,最上級の導入で,

 I like coke best of all.のように,先生が自己開示をしながらになりますね。

 

 次第に生徒を巻き込んで,What drink do you like best?のようにインタラクションを展開していきます。

 しばらくインタラクションをした後で,ターゲットになるセンテンスを板書し,生徒に今使っていたこの英文の意味は?と問いかけ,ペアで相談させながら考えさせます。

 場面・意味・機能を伴って導入しているので,大方の生徒は内容を推測できます。

 生徒の気づきを引き出し,まとめながら,簡単に意味の確認をします。

 その後,リピート練習をさせて,対話への準備をさせます。

 

 

2 使いながら徐々に身につけていくことを大切にする

 

 私は,4月からつまづいてもずっと使わせることをさせているので,生徒は,最初は1ターンくらいのやりとりで終わっていたものも,だんだんと2ターン,3ターンと対話が続くように育っていきます。

 
 なので,対話の出だしをこうして練習をすると,その後は対話が継続できるようになりますね。
 
 一般の先生や教室では,そうはいかないのかもしれません。
 
 それは,中長期的なスパンで生徒を育てる視点が欠けているのかもしれず,対話を継続する生徒が育っていないことも少なくないからかもしれません。
 
 そんなときは,さきほど1で紹介した練習の段階を多めに取るといいでしょうね。
 
  同じ対話ですが,パートナーを変えながら繰り返し取り組ませます。
  1度目よりも2度目,2度目よりも3度目,と生徒は進歩していきます。相手が変わるので,飽きずにできます。
 
 
 
3 話したこと,聞いたことをもとに発話させることを大切にする
 
 2の後で,教師が生徒を指名し,やりとりした内容を引き出します。
  インタラクションを行うのです。
  ここで先生が応答するのですが,その応答が,次に生徒同士で話すときのヒントになっていくのです。
 
 
 
 
4 やりとりしたことを書かせることを大切にする
 
 いきなり書くのは大変です。ハードルが高い。
  でも,話したこと,聞いたことを書き起こすなら,実際に使っているので,リハーサルをしたことになります。
 
 その内容を書き起こしてみる,ということで,書くことが少し身近になりますね。
 
 これも4月からずっと行っているので,だんだんと書くことができる生徒が育っていきます。
 
 
 
5 最後に,明示的に理解することを大切にする
  
 こうしてコミュニケーション活動を先に行いますが,次の時間に前時の復習として,実際に使ったことばをもとにして,文法のまとめをします。
 
 どんな意味なのか,どんな働きをするのか,生徒が気づいたことを引き出してから,最後に先生が文法のまとめをします。
 
 ワークなどの問題を宿題として課してもいいでしょう。
  
 こうして,実際に触れる → 使ってみる → 気づく・分かる → まとめる のように進めています。
 
 
 
どうですか?
 
 
伝わったかな?
 
 
 
これからもよろしくね。
 
応援しています!
 

 

 

こんなつながり,今後も大切にしていきたいです。