NHK基礎英語を活用する

 

 

NHK ラジオ 基礎英語3 CD付き 2014年 06月号 [雑誌]

NHK ラジオ 基礎英語3 CD付き 2014年 06月号 [雑誌]

 

 

授業の帯活動として,NHKの基礎英語を活用する取り組みを昨年度から続けています。

 

3年生になった子どもたちと,基礎英語3に取り組んでいますが,昨年度の基礎英語2時代とは,少し違った取り扱い方をしています。

 

今回は,どんなふうに基礎英語を授業に取り入れているかを紹介してみます。

 

 

NHK ラジオ 基礎英語2 CD付き 2014年 06月号 [雑誌]

NHK ラジオ 基礎英語2 CD付き 2014年 06月号 [雑誌]

 

 

【昨年度】

 

いつもお世話になっている文教大学の阿野先生が監修されている基礎英語2は,現場経験が豊富で,子どもたちの「ツボ」を知っている阿野先生ならではの工夫が随所にされています。

 

子どもたちの実態よりも,少しだけ上のレベル設定(具体的には毎日のエピソードに,未習語的な語いが数語含まれる程度)になっており,未知語を前後の文脈から類推しながら聴くことができます。

 

内容も,ユーモアにあふれ,子どもたちも聞きながら笑顔になることがたびたびあります。

 

そうした適切なレベル設定がなされているものだからこそ,1年間,ずっと使ってみることにしたのです。

 

多読,という手もありますが,それは中3になったら,と考え,まずは文字ベースよりも,音声によるインプットの機会を増やそう,ということで,毎時間1エピソードずつ,音声のみで聴いていく取り組みを1年間続けました。

 

 スクリプトを配布することはせず,冊子に書かれているその日の状況を子どもたちと一緒に読みあげ,コンテキスト(文脈)をイメージできるようにします。

 

次に,冊子に設定されている,毎回の2つの質問を子どもたちと一緒にチェックし,何を聴きとればよいのか,リスニングポイントをはっきりさせてから聴かせます。

 

文字は見せませんが,2回音声を聴いて,まずは自分で答えを考え,ワークシートに記入し,その後ペアでの答え合わせを許可します。

 

最後に全体で答えを合わせて終わり,です。

 

なんてことはない流れなのですが,これ以上ふくらませてしまうと,1時間の授業に占める時間の割合が大きくなり,授業者の負担になってしまうため,それはしないのです。

 

無理のないように,でも持続的に,聴く機会を短時間,設定し続ける・・・

 

それで1年通しました。

 

3月の振り返りで,子どもたちに尋ねました。

 

「自分で,どんなところが伸びたと思いますか?」

 

リスニング,と答えた生徒は,本当に多かったです。

 

積み重ねの大切さを改めて実感した3月でした。

 

 

【今年度】

 

今年度は,多読に挑戦,ということで,以前紹介させていただいたように,浜島書店のじゃれマガ(メールマガジン)を活用し始めました。

 

基礎英語と同じような形で短時間,無理のないように続けています。

 

子どもたちの自学自習につながるように,分からない単語にラインマーカーでチェックをさせて,分からないものをそのままにしない工夫もしていますが,基本的には楽しみながらさーっと読んでいくことを大切にしています。

 

基礎英語3は,1週間に1度程度,冊子の1週間分の4回の中から,これがおもしろそうだ,というもの(言語材料や語彙の様子も,トピックに合わせて検討しています)を1つ選んで使っています。

 

NHKの基礎英語を中心とした教材は,CEFRを参考にレベル設定がなされていて,中2から中3にかけては,1段階レベルが高まっています。

 

スクリプトの長さも,内容も,語いも,やはりレベルが高まっているために,子どもたちは最初面くらっていました。

 

ただ,転んだままで終わるのは悔しいので,

 

聴かせる回数を増やしたり,ヒントを効果的に与えたりしながら取り組んでいます。

 

5月号のポイントとして,説明・描写の表現を増やすことが掲げられているので,聞いたら,そこで得になる,という気持ちになってもらえるように工夫をしました。

 

まずは,2回内容を聴きます。

 

そこで1度,ペアでの相談の時間を与えます。

 

子どもたちの様子をみながら,躓きが起こっているところだな,と感じたところについて,ちょっとだけ助け船を出しつつ,もう1度聴きたいか尋ねます。

 

悔しい気持ちで,もう1度!のリクエストをしてくる生徒が大多数なので,再度内容を聴く機会を設定します。

 

ペアでの再度の話し合いの後で,今度は先頭から音声を流し,答えに関わる部分のところで一時停止をします。

 

生徒と意見のキャッチボールをしながら,答えを引き出していくのです。

 

今日聴いた内容は,主人公たちが,花博に出かけて,そのとき見た花の様子や,お土産で買ってきた花の様子について,さまざまな形容詞を使って対話をしている様子です。

 

生徒たちの発想を広げなければ・・・

 

花 = wonderful / beautiful / colorful くらいで留まってしまうでしょうか。

 

最後に,こうした描写の表現を聞き取ってメモするように伝えると,

 

gorgeous / fantastic / excellent / elegant /.... などなど,たくさんの形容詞が出てきました。

 

1輪の花,を描写するにも,本当にたくさんの言葉が使えること,そして,できる限り自分の考えや気持ちを表すことばを探して使ってみることをアドバイスしました。

 

なるほど・・・と子どもたちと感心しながら,50分を終えました。

 

 

基礎英語,使えますよ,本当に!!

 

みなさんもいかがですか?

 

 

みなさんの活用方法も教えてくださいね!