「ハッ」とした気づきを与えてくれた本
埼玉大学の及川先生のおすすめをいただいて,語研が編んだ本を手に取りました。
具体的な授業の指導場面を26ポイント取り上げて,それぞれのポイントに精通した先生がアドバイスをしてくれています。
読み手によってストン,と落ちるポイントは違うだろうし,また,忘れていたこと,気付かなかったことに「ハッ」とするところも違うと思います。
でも,どれも本当に大切なことばかりだなあと思いました。
ぜひ手にとって読んでもらいたいと思います。
ちなみに,私が「ハッ」としたのは,
久保野りえ先生のOral Introductionについての回答
久保野雅史先生の音読についての回答
奇しくもお世話になっているご夫婦のものなのですが,はっとしましたね・・・・
まだまだ修行が足りません。
詳しくは・・・お買い求めいただいて・・・
それを受けて,英語便りを書きました。
内容を以下に紹介しますね。何かの参考になれば・・・
もう一度大事にしたい,「聴く」こと
英語学習をするときに大事だ,と2年生が始まるときにみんなと確認したことがありますね。
小さな子どもがことばを身に付けていくプロセスで大切なのは,親,まわりの人たちからかけられる「ことば」を「聴く」ことです。
基礎英語を聴くとき,リスニングテストを聴くとき,には集中しているかもしれません。 でも,生きたことばのやりとりの,友達の話す英語や,先生の話す英語をつかもうとしているかどうかをもう一度考え直してみたいですね。
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たとえば,教科書の内容について,ピクチャーカードを示されながら英語で聴くとき,を考えてみよう。
「目を通じて見たことから,みんなの頭の中に音のイメージがわきます。そこに,聞こえてくる英語の音が重なって,意味が結びつきます。」
ことばのもつ「意味」・「働き」に,ことばの形式が結びついてはじめて,ことばを「覚える」のではなく,ことばを「身に付ける」,そして,「使える」ことになっていくのです。
しっかりと「聴く」こと(=聴いて理解すること,聴いたことをコミュニケーションに生かすこと)は,そのための回路を作るために本当に大切なんです。
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3年生になった今,みんなならきっと納得してくれると思います。
また,コミュニケーションは「人間関係」づくりの中心です。聴かない,ということは,相手を否定することにもつながりますね。 ちゃんと聴いているよ,という姿勢を示すことは,話し手にとって,本当に安心感が持てることにつながります。
これから何十年もことばを使っていくみなさんに,大事なことをつかんでおいてほしいと強く願っています。
最終的にめざすのはどういうことですか?
それは・・・ 相手と(文章と)コミュニケーションができるようになること(→ その先に,相手理解,自分を理解してもらうこと,関係を作っていくこと,などがあると思います)です。
そのために大事なのは:
直読直解(読んだままにすぐ理解すること),直聴直解(聴いたままにすぐに理解すること)
になりますね。
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たとえば,日本語で書かれた小説を読んでいるとき,私たちはどんなふうに読んでいるのでしょう。
声に出して文字を音声化することはなくても,頭の中で文字を音声にして(内言として)読み進めていますね。無意識でこれを行っていることも多いはずです。
自動でそうした音声化の処理が行われ,小説の中身を理解していくのです。
では,英語ではどうでしょうか。 全く同じことを行うことが大切になります。しかし,慣れない英語の文字,単語,文,文章を,自然に,そして自動で音声化するのはとっても難しいことです。
そして,音と文字だけでなく,それらを聴いたり読んだりしながら,意味が思い浮かぶ,意味と結び付けることがポイントです。
文字と音声を結び付け,自動で処理できるまで練習することが大切なんですね。
そして,練習しながら意味が思い浮かぶようにならないといけませんね。
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ここで,自分の取り組みをチェックしてみましょう。
文字や単語レベルでは・・・
・単語調べのときに,音声を意識して調べ,ノート作りをしているか
・単語の練習のとき,音と文字をつなげる,そして,意味を思い浮かべながら発音練習をしているか
音読をするときには・・・・
・モデルになるものの音声をよく聴いて,意味を思い浮かべられるか
・音読をしながら意味を連想することができるか
・自分の音読を聴いた人が,教科書の文字を見なくとも,聴いているだけで意味を想い浮かべてくれるか
大切なのは,ただ単に大きな声を出すことではありませんね。 大きく音読する,のは,あまり意味を考えていないことなのかもしれません。 合唱をするときも,ただ大きな声で歌うのでは,曲の持つ意味やイメージを聴いている人に伝えることにはなりません。 自分の声だけを聴いて(相手に読み聞かせをするときのように)伝わる音読を目指しましょう!