難しいことを分かりやすく -田中武夫先生のご著書から
夏休みのTo Do List,結局できていないなあ・・・
と落ち込みながら,遅ればせながら本を読むことを始めました。
手始めに積ん読から2冊を終えたところです。
そのうちの1冊は,山梨大学の田中武夫先生にご献本いただいた近刊です。
これまで同様,奥様と共著をされているのですが,
推論発問を取り入れた英語リーディング指導―深い読みを促す英語授業
- 作者: 田中武夫,紺渡弘幸,島田勝正
- 出版社/メーカー: 三省堂
- 発売日: 2011/08
- メディア: 単行本
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英語教師のための発問テクニック―英語授業を活性化するリーディング指導
- 作者: 田中武夫,田中知聡
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2009/07
- メディア: 単行本
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学校の授業のようすが目に浮かぶような,具体的な文章構成と,レイアウトが特徴的です。
一貫して,文法指導はコミュニケーションの中で生きて働くものになるように,というメッセージが流れています。
授業に臨む前の教材研究についてや,生徒理解の大切さについて冒頭に書かれています。
教室での指導に当たる前に,生徒との人間関係作りや,生徒個々のことをどれだけ知っているかは,実は(実は,ではないですね,私たちにとっては当たり前!)本当に大切です。
その上で,絵に描いた餅にならないように,授業の中で文法指導の流れを(コミュニケーションで生きる形で!)具体的に提案してくださっています。
文法指導の苦手な先生にも・・・と,想定する読者について「はじめに」で書かれていますが,伝統的な指導に陥っているかもしれない先生でも,これなら始められる・・・と感じてもらえるように書かれているのだと強く感じました。
自分の今の指導と関連させてみると,
「機械的な練習」
の部分についてはどうだろう,と思う部分もあります。
文法を,その形式だけでなく,意味・機能と抱き合わせるには,「意味のある練習」を多くしていくことで,「意味のある繰り返し」になるように工夫しているからです。
また,導入で提示した内容を生徒に理解させ,中途半端な状態にせずに(迷わせない)コミュニケーション活動に進ませることは大切です。
自動化を促すintakeの段階として練習の充実を挙げておられますが,導入した後でintakeされるまで,を単一時間内に達成するのはとても難しいと思います。
(先生も十分分かっておられて,便宜上だと確信していますが)
触れて,使って,ミスをして,ミスに気づいて,もう一度使って・・・
と繰り返していくことこそ,intakeにつながっていくのだと自分に再度言い聞かせたいと思います。
そんなことはあっても,本当に分かりやすいおすすめの本です。
ぜひぜひお読みください!
また,同時並行で読んでいたのが,
です。
こちらも,第二言語習得の知見を中心に,理論面をバックボーンにして,現場で起こりうる私たちの疑問に答えてくれています。
これを重ねて読むことで,田中先生のご著書の理解度も上がるな,と感じました。
以前太田先生にお勧めいただいたこの本とも重なる部分が多かったです。
願わくば,田中先生のもののように,もう少しシンプルに,分かりやすくなっていたら・・・
現場の先生の多くがもっともっと手に取ってくれるのでは・・・と感じました。
(それでもとってもよい本ですが!)
田中先生,本当にありがとうございます。
貴重な学びの機会をいただきました!
心より感謝申し上げます。