授業を視聴し合う学び合い -福島のMさんとともに

新潟のM先生,長野のKさんに続き,福島のMさんからも授業へのコメントが届きました。

 

これまたMさんらしいタッチでの振り返り・・・自分の願いや思いをちゃんとキャッチしてくれているなあ・・・

 

感激です。

 

みなさん,ぜひ読んでみてください!!

 

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 どの活動も、「今日はこれをやるんだよ!おぼえないとダメだよ!!」の様な強制的なメッセージが込められてなく、私は見ていてとても心地よかったです。T先生らしいというか、もっとこういう授業が増えてほしいと思います。

 

 授業の流れがとても自然です。指導主事の先生や管理職の方などからは、「ジュギョウノハジメニハ、コクバンニメアテヲカカナケレバイケマセン」と言われることが多く、教科の特性もあるのになぁ、といつも思っております。

 めあてなどを書いてしまうと、そこで流れが途切れてしまうし、生徒はこれから何をするのかわかってしまうので、ドキドキ感が薄れてしまうような感じがするため、私はあまり書いたりしません。ただ、「○○についてスピーチしよう」など、タスクに関しては書くようにしています。

 

 今回の授業について、全てのことについては書けませんので、書ける範囲のことを。

 

 まず塾について話してから、好きな先生を何と呼ぶかという流れで進んでいきました。教室にはざわつきが少しありましたが、自分の学校の先生について話をすることと,T先生から課題を出された瞬間に静かになりましたね。

 これはやはり、自分が取り組みたい課題だと生徒さんたちがとらえたからだろうと思います。

 callについて、理解が早かったり先に学習していたりする生徒は、それまでの先生の話を「ふ〜ん、そんなの知っているよ」と考えていたのかも知れません(妄想ですが)。しかし、取り組むべき課題が身近なもので、なおかつ少しだけチャレンジングなものであったため、「何、そう来ましたか。ど〜れやってやろうじゃないの。じゃぁ、誰にしようかな?」と意欲がわいてくるのでしょうね。あの一瞬の静けさにその雰囲気を感じました。

 

 教師のこだわりもいくつか見られました。生徒が「うちの学校の先生誰でもいいや」といったときには、「だれでもいいじゃだめ」とおっしゃってましたし、後の活動で生徒が言いたいことをノートに書きそうになったとき、「書くのはまだ。後で時間をあげるから」とおっしゃっておられました。普段からこういったことの指導についてはぶれてないのだろうと察します。

 

 生徒同士の会話の場面では、これまで学んできたものの成果がよくあらわれていました。ターゲットセンテンスがあれば、それに重点を置いて対話をさせたくなりますが、今回、話題の中心は自分の好きな先生や友達のことで、最後にその人たちのことを何と呼んでいるかでした。生徒さんの発表を聞いて、この会話指導は一朝一夕ではできない指導だと感じました。私はまだまだです。ターゲットセンテンスを少し応用して会話させただけで充分だと思ってしまいます

 

 この会話はバウムクーヘンのようでした。多分、生徒さんたちも始めからこんなに話せたわけではないでしょう。これまでのT先生とのやり取りの中で少しずついえることを増やしていき、だんだんと(バウムクーヘンのように)太さを増してきたのだと思います。常に生徒がどの時期に何をできるようになってほしいか、T先生がビジョンを持っているのがわかります。

 

 生徒さんがほぼimpromptuの発話の際に、内容を意識しながらも発音がよかったのが印象的です。これも日頃の指導ですね。私も日頃から正しい発音の指導を意識していますが、まだまだです。

 

 生徒の発表に対するfeedbackも短くて適切でした。文法や発表態度、内容について、またはオーディエンスのあり方などについても、指導することはきちっと、前から伸びていることははっきりとおっしゃっておられました。ここから学ぶことは多かったです。

 

 最後の3分ライティングですが、これまでの会話中心の活発な活動から一転して静かな中でカリカリと生徒さんは筆を進めておられました。書きたいことがあるからあれだけ集中して書いてるのでしょうね。また、それまで書かせないでいたからこそ一気に書いていたのではないかと思いました。

 

 最後に、私ならこうする、というところを一箇所だけ述べさせて下さい。(何言ってんだよ、とお思いになることはわかっております、、、笑)

 

 What do you call Mr. T....? I call him T....-T.をリピートさせてから生徒に対話練習をさせていましたが、私ならある程度できそうな生徒とインタラクションをし、モデルを生徒に見せてから生徒の対話練習に入っていたと思います。勤務校には常にALTがおりますので、本校でならALTとの対話を見せて、生徒に練習させます。それを何通りか見せていけば、特に今回使用する単語などはリピート練習はいらないかと思います。

 稲岡先生の授業では確かに「Repeat after me.」などいってなかったと思います。その分、生徒とのインタラクションを重ね、言えそうになったら生徒同士で話させてみる。時間の都合もあると思いますが、あれだけ自然に流れていく授業なら、それが可能だと私は思いました。

 

 英語が堪能な先生だけれども、必要な場面では日本語を使う指導が良かったです。決して指導案どおりではなく、生徒の様子を観察して適宜日本語を使用し、その都度対応を変化させる指導技術は、若手だけでなくほとんどの先生に必要なことだと思います。先日は英検のワークショップで福島にきていただきましたが、もっと多くの場所で発表していただき、こういった授業運営が先生方のスタートラインにまずなっていけば、と思いました。

 

 

Mさん,過分なことば,ありがとうございます。

 

みなさんと,こうした学び合いができる私は,本当に恵まれているなと思います。

 

自分が非力だからこそ,フットワークとネットワークを生かして,今後も学び合い,授業改善に努めていこうと思います。