批判的思考を大切にしつつ バランス感覚を持って
英語授業への人間形成的アプローチ ??結び育てるコミュニケーションを教室に
- 作者: 三浦孝
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2014/09/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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テスト休みで部活動が休止中,台風も迫っているため外に出られない日曜日,金曜日から久々に読み始めた本です。
もう10年近く前,つらいことが多すぎて教師を辞めようと思っていたときに,
この本に出会って尋ねたのが,母校,静岡大学でした。
私が在籍していたときにはいらっしゃらなかった三浦先生でしたが,私の勝手な申し出を快く受け入れてくださり,研究室においで,と声をかけてくださいました。
メンタル的にかなり追い詰められていた中,先生からかけていただいた励ましのことばは,今でも私の中に残っています。
先生が静岡大学を御退官され(今も非常勤の形でおつとめではありますが),その集大成として魂を込められて執筆された本なのだ・・・と感じながら読ませていただいています。
これまでの日本の英語教育,現在の英語教育を取り囲む状況を憂えておられること,そして,ただ単に批判をするのではなく,代案としてどのようなことができるか,そうした提案もされています。
指導要領など,上意下達的に与えられるものをそのまま受け取るだけでなく,その行間を私たちがしっかりと批判的な視点から読み取り,子どもたちに向けて授業を行う際に生かしていくことの大切さを改めて感じます。
筑波中学校の蒔田先生が私にかけてくださったことばと同じように,三浦先生も,技術など小手先なことで終わらず,一体何を目指した英語教育なのか,マクロな視点,理念をしっかりともって指導に当たることの必要性を訴えていらっしゃいます。
まだ3文の1までしか読めていませんが,心に多くを訴えてくる,すばらしい本だと思います。
多くの大学の先生が,三浦先生のように,現場をしっかりと向きつつ,教員養成に当たっていただけたら・・・ と切に願うばかりです。
一方で,先だっての英検セミナーでご一緒させていただいた向後先生はじめ,文科省で働く方々も,真逆なことを考えているわけではなく,授業を,そして,そこにいる子どもたちを考えていると思います。
二項対立的に物事を片付けるのではなく,接点を見出しながら,子どもたちを中心におきつつ,バランス感覚を持ってともに英語教育をよりよいものにしていければいいなあと思っています。
自分の存在などは,大海に落ちる1滴にしかなりませんが,拙い力を傾けてがんばっていきたいなあと思います。
それにしても,三浦先生の情熱はすごいです・・・
自分は本当に小さいなあ・・・