文教生からのメッセージ①
昨日来校して授業参観をしていった文教生から授業の振り返りメッセージが届きました。
授業ビデオをさっそく視聴して(2度目),学びなおしをしたとのこと,すばらしい姿勢ですね。
阿野先生を始め,現場から研究者になった方のゼミ,授業を覗いてみて,毎回思うことは,指導が現場に出てから生きるだろうなあ・・・という実感が持てることです。
どこの大学でも,学生さんがそんな授業を受け,実習を迎えられたらなあ・・・
では,彼とのやりとりの様子を紹介しましょう。
大学4年生がここまで書ける!ことがすごいですよね。
(彼は英授研皆勤賞男です!)
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【Fくんからのメッセージ】
先生授業もう一回見ました!!
では、感想と生意気ながら少しながらコメントを。笑
1時間目の言語活動は which の関係代名詞を理解し、使えるようになるための授業としてはとっても参考になり、とっても良い授業でした!
しかし、シモツカレでしらけてしまっていました。シモツカレ(僕食べた事ないので味とかは分からないのですが)を伝えようという気には生徒たちがならなかったのだと思いました。みんな嫌いな食べ物なようだったのでやっぱり嫌いなものは伝えようと言う気にはならなかったのかなあと思いました。
which を使ってシモツカレのように食べ物を紹介するなら、導入の時、生徒が特徴を伝えるときに使うと言っていたので、宇都宮餃子の特徴を言うのでも面白かったかなと思いました。餃子消費量のライバルである浜松の餃子の特徴も伝えるともっと盛り上がるかなと思いました。(宇都宮=餃子っていうイメージが先行しちゃってこんなアイディアになっちゃいましたが…)
中3になるとやっぱり都会にあこがれを持ってしまうのでしょうか? 次の栃木を紹介する活動も生徒たちが栃木なんかなんもねえ!と言っていて、 なかなか食いついてくれませんでしたね… たぶん彼らも大人になれば自分のホームタウンの良さに気づくと思いますが。笑
Tochigi is the prefecture which 以降を生徒に考えさせるという活動はとても参考になりました!そのあとの文は生徒の色が出るので面白いと思いました! なんであんなに食いつかなかったのかは謎ですね…
2時間目の授業に行きます! 中学3年生のテキストの内容は深いものが多いので、生徒に考えさせるためにはどうしたらいいのか、生徒に音を意識させるにはどうしたらいいのか、そういうことに対してのアイディアがたくさんありました!実習先では和訳と音読しかしなかったので、もったいなあと思っていました。
まずinternational cooperation の意味を調べさせて、生徒が行っていたボトルキャップあつめに持っていって身近な話題で展開するのがよかったと思います。 ただ、僕だったら調べさせたあとすぐ生徒のボトルキャップのところに行くのではなく、どんなのがあるかなあ?って考えさせたかなあと思います。
先生が実際に経験した国際協力について話したのもいいとおもいました!動画を使うことで、生徒が全員見ていたので彼らにとってもなにか引き込まれるものがあったのだと思います。文字が読めないことで起きる問題を先生が伝えているのもいいと思いました。最初のほうはざわざわしていた子たちも先生の話を聞いているうちに静かになり先生の話に引き込まれていました。
ツバルについての動画を見せたのもよかったです! 言葉だけじゃ伝わらないツバルの姿が映像として生徒に届いていました!
Oral Introduction の時に最初の絵ではざわざわしていたのですが、 次の絵からだんだんとシリアスになってって生徒たちが静かになっていました。 彼らも何か2枚目以降の絵を見て感じたことがあるのだと思いました。
Listening Points の1つめがずっときになってたのですが、 What's Mr.Y? じゃなくて省略して書くならWhat's job?かなあとおもいました。
単語の練習もまずは文字を見ながら音声を聞く、この活動の時に生徒はみんな 集中して音と文字を一致させるために、一生懸命でした。 普通だったら、教師のリピートから入るのですが、音に集中させる方法は初めて見たので、この方法で生徒がどう変化するのかが知りたいです!!
先生のインタラクションは生徒が日本語で聞いたときと同じ反応をするので、 とても参考になります。 英語も先生はダメダメ言うけどきれいだし、発音もいいと思います!
先生基本的にネガティブですけど、僕は先生の授業が今まで見てきた先生の授業の中で一番しっくりきます。こういう授業をしたいなあといつも先生の授業を見て思ってます。
長くなりましたが(笑)以上です!
ありがとうございました!!
【私からの返信】
温かいメッセージをありがとう。
さすが英授研皆勤男は見る目が違いますね。
自分が工夫したところをちゃんと気づいてくれているね。
コミュニケーション活動中心だった授業,自分が少し話過ぎたかなあと思っています。
ただ,関係代名詞は難しいので,初出の段階で多くをアウトプットさせるのはハードルが高いから,その意味でインプットをたくさん入れた,と考えればOKだったかな,とも言えますね。
栃木のことを伝えさせよう,と思ったのはよかったんだけどねえ・・・
事前に思ったのは,おいしくないしもつかれだからこそ面白いんじゃないかなあ・・・餃子はもう当たり前だよなあ・・・ということでした。
時間の余裕があったら,自由に栃木のアピールを,と考えていたけど,そこまでの残時間がなかったんだよね・・・そのあたりが授業の難しさだよね。
トピックが当たるときもあれば,そうでないときもありますね。
それから,教科書の授業について。
深い内容を落とし込むのに・・・と考えた内容でした。
せっかく文教生が来るから,コミュニケーション活動だけじゃないほうがいいなって思って,授業の流れを前日から調整したんだよ。
教科書に入る前に何をするか,を大切にしていること,伝わったのが嬉しい。
●子どもたちと題材をつなぐこと
●文字を見る前に,できること
だよね。
感じてくれたのがよかったなあ・・・
また,新出単語の導入についても,音を大切にする部分,意識しているんだよー。
帰国子女じゃない自分が教えるから,工夫を凝らさないと。
子どもたちのさわさわ感はうちの特色だよね・・・のびのび育っちゃっているっていうか・・・
でも,感受性が豊かな証拠で,題材に反応しているおしゃべりはむしろいいものだって思っているよ。
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さっき抜けたこと,追記するね。
Who is ...? ~は誰ですか?
What is ...? ~は何者(仕事)ですか?
だから,OKだと思うなあ。
どう?
それと,音に意識を払わせた教科書の導入は3年生になってから行っています。
変化としては,音読の発音をよくしようという生徒が増えたと思う。
それはやっぱり,音への意識の働かせ方を教えてあげたからだと思う。
音をよくしてって言っても,調音方法をトレーニングするのには相当な時間がかかるしね。実際に大学生がようやく取り組むことなんだからね。
だったら,まずは聴こえたように,というのが一番の初歩だよね。なのに,一般の授業では,聴く,ということが少なすぎるように思うんだ。
単語についても同様だよ。
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あとはねえ・・・
どこまで膨らませた導入をするかっていうことだよね。
内容理解が授業のねらいだから,そこを膨らませ過ぎると,肝心の内容理解が手薄になっちゃうってことだからね。
50分をどういうデザインにするか,は毎時間悩みどころです。