今日の読書から

 今日読んでいたのはこの本です。

跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること

跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること

 

 

「思考」についての本をいろいろと読んでいる中で,書店の店頭で平積みになっているのを見つけました。

 

研究に直結するかどうか分からないけど,幅広いところから「思考」について考えることも大切だし,ひょんなところから思いがけないヒントが得られることもありますものね。

 

自閉症の筆者は22歳。

 

自分の考えや気持ちをことばにして語ることができません。

 

文字盤を指で指しながら自分のそれらを言語化して,人とコミュニケーションを取ることができます。

 

ことばを発しないから,思考がないのではない・・・

 

彼は,文字盤やパソコンを通して自分の考えを綴っているのですが,この本に書かれていることを読んでいると,自閉症の人も,本当に深く,深く,自分を見つめ,さまざまなものごとを考えていることがよく分かります。

 

自分と違うものをどう受け止めるか・・・

 

生徒にはそんなことの大切さを教えていながら,自分自身はどうなのだろう・・・

 

 

今から20年前,初任者研修で体験した社会福祉体験の経験を思い出します。

 

重度の障害をもった入所者のお世話を体験する・・・ということでしたが,自分は前向きな気持ちになれず,夜も眠れなかったことを覚えています。

 

自分が一番だめじゃないか!

 

 

この本の筆者のことばを読みながら,全く自閉症ではないけれど,自分の思いや考え,気持ちを心の内にとどめ,なかなか外に出して表現しない教え子のことを思っています。

 

表情や立ち居振る舞いから,今の気持ちを読み取ろうとしながら,ほどよい距離感でかかわろうとしていますが,果たしてうまくかかわれているのか・・・と自問自答をする日々です。

 

今日は言葉を交わせたな

 

今日は交わせなかったな

 

 

 

他の教師や他の子どもたちと連携しつつ,よりよいかかわりを模索する,そして試行する,ことしかできませんが,決してその生徒を否定することなく,かかわっていきたい,と改めて思いました。

 

試行錯誤は続きます