3年間の集大成 ファイナルスピーチへの道⑧
今日もファイナルスピーチが続きます。
1つ1つのスピーチにドラマがありますが,まずはある生徒にfocusしたいと思います。
英語以前に,なかなか自分の意志を外に出すことができない生徒です。
きっと,自分の内面には自分なりの考えや気持ちをもっているはずだ,と思いながら,なかなか本人の本音を引き出すことができずにいました。
それでも,彼の現在の有り様を否定せず,粘り強く待ち,粘り強く声をかけ,思いを伝え続けてきた2年間でした。
話があるときには,本気の気持ちを伝えること,に徹してきました。
Iメッセージ,かもしれませんが,
「自分はこう思っているよ。誤解かもしれないけど,こう思うんだ。」
返事がなくても,伝え続けてきました。
ただし,追い込むことはせず,反応がなくとも,とにかく待つ。
スピーチの本番が近づいてきても,下書きがなかなか上がってきませんが,
「発表までのスケジュール,分かっていると思うから,待ってるな。」
と伝えました。敢えて毎時間ではなく・・・
そして,とうとう発表を当日早朝,原稿を持って自分から職員室にやってきたのです。
「よく来たね。ずっと待ってたよ。」
と声をかけ,大至急添削をして返却しました。
自分のクラスの発表の時間がやってきて,他のスピーカーの発表もありましたが,ビデオ撮影の合間に様子を見ると,一生懸命静かに練習をしているようでした。
自分の番が来て,逃げ出すことなく,発表を無事に終えました。
3年前には,発表をすることができないまま終わった生徒がいました。
自分のアプローチが変わったから,最後は逃げ出さずに,呼びかけに応えてくれたのだと思います。
発表を終えて,授業後の休み時間に,声をかけました。
「最後,やりきってよかった。ベストの発表をするには練習が足りなかったと思うけど,それは高校に行って次の機会にクリアしていけばいい。今回は,逃げずにやりきったことが最大の成果だね。」
そう,その通りです。
その生徒なりのがんばりを見取って,次につながる一歩になるように・・・
待ち続ける不安,心配があってはらはらしましたが,待ってよかった・・・