部活動 before - after

部活動で子どもたちを指導しながらふと思ったこと・・・

 

初任者として女子バレーボール部をもったときのことを思い出しました。

 

前任者が県内屈指の指導者で,カリスマとして厳しい指導を行い,勝つことを至上命令のようにしていた後を,全くバレーボールのプレー経験のない初任者が受け持ったのです。

 

勝つことが大前提のようになっていたチームのムードに飲まれ,大勢いた部員の中でも,小学校でのプレー経験があり,即戦力になる生徒ばかりを,何の疑問もなく使っていました。

 

補欠のメンバーの中に,175cmもある縦にも横にもがっちりとした選手がいました。

 

動きは硬くて柔軟性が不足していたので,各大会で成果を求められる状況,また,練習試合でも強豪とばかり対戦する状況で,ほとんど出場機会を与えられずに引退を迎えてしまいました。

 

3年生を送る会で,その子の保護者の方から:

 

「先生,どうしてうちの子は試合に出られなかったのかな・・・ チャンスだけでもせめて与えられなかったかな・・・」

 

と言われました。

 

その当時は,顧問としての自分が置かれた状況がぴりぴりして,常に結果を求められているとばかり思っていたので,本人や保護者の方の思いを本当の意味で理解することができなかったように思っています。

 

女子にして175cmです・・・。

 

何度もチャンスを与えて,経験を積ませてあげたら・・・

 

今にして思います。

 

 

深く反省・・・

 

 

その子を使わずに試合に臨んで,結果としては地区3位,県ベスト8までは上ったものの,目標としていた関東大会には届かず・・・

 

そう考えたら,結果がどれほど,と言えるのでしょうか。

 

 

 

 

 

今担当している部活動は,2・1年生合わせても9名しかいません。

 

女子は同じでも,バスケットボールですから,スタートメンバーは5人です。

 

4人がベンチに座るわけですが,どのメンバーにも必ずチャンスを与えています。

 

175cmとは言いませんが,一番大きな初心者の部員を,ずっと使い続けています。

 

本当に真面目に練習に取り組んでいるので,彼女なりのペースでゆっくりですが,着実に成長しています。

 

最近では,試合で使えるほどに伸びてきました。

 

練習中,試合中,何を伝えるか,顧問として本当に深く考えます。

 

 

●どうしたら課題を具体的にイメージして解決しようとすることができるか。

 

●どうしたら意欲を高め,がんばろうと前向きにさせることができるか。

 

●小さな変化,成長に気付き,言葉をかけられるか。

 

 

20年前の教え子には,悲しいかな,もう還すことができませんが,そのときの反省を胸に,今目の前にしている子どもたちに還していきたいと思います。

 

 

教師も失敗から学び,真摯に自分の取り組みを振り返り,成長する存在だと信じて!