習熟・定着を過度に意識しすぎていませんか? - 言語材料を使う場面を!

昨日,ある授業を参観しました。

 

最初に,

 

●子どもたちとの関係性

 

●授業規律

 

のある授業で,学ぶべきところが多かった,ということを断っておきたいと思います。

 

 

その上で,その授業だけでなく,多くの教室で行われているかもしれないことについて私見を述べてみたいと思います。

 

それは,

 

私たちが,習熟・定着を過度に意識しすぎていないか,ということです。

 

 

昨日の投稿で,授業の冒頭にSmall Talk&Interactionをすることのよさについて書きましたが,それは,教室を温かで柔らかなムードで包むだけの意味で行っているのではありません。

 

実は,そのtopicが伏線となり,その後のコミュニケーション活動のためのcontextになっていく,ということも大事なのです。

 

授業の冒頭から基礎・基本の反復練習を行い,その後,formatに従って長い練習が続きます。

 

話し始めから・・・(そして,それが何のために,誰に向かって,どのように行われるか,という文脈がない状況で)

 

T  : I have been to Osaka. Have you ever been to Osaka?

S1: No. I haven't. I have been to Shizuoka. Have you ever been to Shizuoka?

T  : Yes, I have.

 

授業のねらいは,have been to ~(現在完了形の経験用法)の意味・用法を理解することだったので,授業のねらいは達成できるように見えますが,生きた状況で子どもたちが自分の経験について話せるように,この後の活動をアレンジできないでしょうか。

 

練習が必要ない,と言っているのではありません。

 

触れたこと,意味を想起し,型に慣れつつあることを使って(初出だから),実際に自分のことを伝えたり,相手のことを尋ねたりして,相互に理解を深めたり,相手の新情報を知ったりすることにつなげられないでしょうか。

 

 

言うは易く,行うは難し

 

 

なかなか難しいことですね。

 

 

自分自身のアイデアだけで授業を見つめていると,実は大きな穴に入り込んでしまうこともあると思います。

 

いろいろな授業を見て,

 

本を読んで,

 

仲間と授業について語り合って,

 

学び合い,伝え合い・・・

 

 

そうしていくうちに,自分の授業を客観的に見つめられるようになるのかな・・・と思っています。

 

 

練習で終わってしまう授業,していないかなあ・・・

 

 

自分自身のことも振り返ってみようと思います。