生徒に振り返りの機会を! パフォーマンステストの後で
拙ブログでも少し前に紹介したペアでの対話テストの日程が全て終わりました。
大事なことは,年度末の対話テストの総決算(とりあえず,今年度の山の頂上)で,発揮しうるベストのパフォーマンスを実現させるために,現時点でできていること,できずに課題になって残ったことをはっきりさせ,これから自分がどんなことを,どうやって授業中に取り組んでいけばよいのか,自分自身で知ることです。
そのため,各クラスのベスト対話を1つずつ選んで,全4編を視聴し,そこから学ぶ機会を設けています。
まずは,今回の対話テストのテーマであった,
ペアでの対話を「継続」できたかどうか,を視聴の前に振り返ってもらいました。
その後,「対話の継続のために必要なことは何か」ということで,ペアで話合いをしてもらいました。
生徒たちの中から出てきたことを挙げると:
●相手の発話を受けてのリアクション = 聞いているよ,関心があるよ,の合図
●相手の発話の後の追加発問 = 1つの話題を掘り下げる役割
●相手の興味のあること,好きそうなこと,を話題にしてあげること
= 相手の発話を引き出す工夫
●対話が続かなくなりそうなときには,話題の転換(by the way)
= 行き詰まらないための工夫
●できるだけリラックスすること = 硬くなると発話が止まることを避ける役割
などが出されました。
そして,自分たちが出した観点を基に,実際にモデル対話を視聴しました。
その後,再度ペアで気付いたことを話し合わせると,実際に上記のようなことができている,ということに気付いてくれました。
頭の半分には,自分たちの対話内容と,そのときの心理状態を思い出し,比べながら視聴するように伝えているので,子どもたちは真剣になって視聴します。
その後で,私から,細かな部分も含め,フィードバックをしました。
■相手への思いやりのある発言のすばらしさ
= Sorry, but I don't like it. / I'm sorry, but I don't know. など
■リアクションの大切さ
= リアクションがないまま質問をすると,まるで尋問のよう。
× A : I like coke. - B : Why? ○ A : I like coke. - B : Oh, me, too. Why?
■代名詞を使うことを忘れずに
= 同じ名詞,固有名詞を繰り返し使うことを避けたい
× A : I like milk tea. Do you like milk tea? - B : Yes. I like milk tea.
○ A : I like milk tea. Do you like it? - B : Yes. I like it very much.
■正確さは後からついてくる 難しく考えすぎない,間違いを過度に気にしないこと
= 伝えたい内容を重視することが大切,振り返りを繰り返し,正確さは徐々に高まる
■発話のターンの転換ポイントを相手に伝えること
= 自分の話が終わるとき,相手に合図をしたい(目配せ,ジェスチャーなど)
■一人が一方的に話しすぎないこと
= 少しずつ情報を小出しにし,聞き手が質問をする余地を残す
■話が詰まりそうになったら,相手に助け船を出すこと
= 質問が伝わっていないようなら,再度問いかける,優しく言い換える
質問が分かっていて,答えもあるけれど,英語で表現できないときには,答えになりそうなことを例示する
その後,子どもたちが書いた振り返りは,本当に真摯で,すばらしいものが多くて感動しました。
こうして振り返りの機会を持ち,目指すべきゴールに向かうために何が必要なのかを実感させると,その後の取組も変わりますね。
真剣味が増します。
最初のクラスの半分くらいまでコメント書きを終えましたが,それだけのサンプルの中にも,こんなにすばらしいものが見つかります。
子どもたちって,すごいですよね!
生徒に,振り返りの機会を!!!