授業を反対側から見つめると

教育実習生の授業を見ながら、もちろん彼らの授業のよさや課題を見つけるのですが、やっぱり、子どもたちの学びの様子や反応を見ている自分がいることに気付きます。

 

いつもとは反対側から見ているので、普段よりも、生徒がどう学んでいるかが見えるなあと思います。

 

先生が指示したことが、生徒にどう受け取られているのか。

 

先生の語りかけが、生徒にどう届いているのか。

 

先生のアクションに対して、子どもたちがどうリアクションしているか、という部分がとても気になります。

 

 

ある授業で・・・

 

生徒2人に、ペアでの対話のデモンストレーションをさせました。

 

一方の生徒が、パートナーに質問をしようとしました。

 

What do you like... What... What do you like sport?

 

と問いかけたのです。

 

デモンストレーション中は、その発問に対して、パートナーが意図を汲んで答えていましたが、対話が終了して、教育実習生が投げかけました。

 

「あの場面で、Aさんは何て言いたかったのかな。」

 

しばらく周囲と話し合わせた後で、生徒から考えたことを発言させると、

 

「What sport do you like?だと思います。」

 

との意見が出されました。

 

それを聴いた実習生は、その考えに対して、クラス全体の賛否を問い、その後、それを承認した後で、Aさんに戻しました。

 

Aさんの様子を注視していたのですが、恥ずかしがるかなあ・・・と思う予想に反して、静かに4回頷いていました。

納得していたのですね。

 

いい瞬間でした。

 

 

また別の授業では、単語の発音練習、教科書の音読練習のステップが気になりました。

 

モデル音声を聴く機会が少ないので、生徒によい発音を、と求めるのは厳しい、と感じたのです。

 

生徒と同じ立場になって授業を受けることができているので、思わず、「う、早いなあ・・・ まだ聴き足りないよ・・・」と思ったのです。

 

 

自分もやっているな、とも思いながら、改めて子どもたちの学びのペースを考えることの大切さに気付かされました。

 

 

どんなに授業の中での指導技術を意識しても、こうしたことが見えていなければ、教師の自己満足に終わってしまうことが多いのだろう・・・

 

実習生だけでなく、まずは自分が・・・と思いました。

 

 

授業を反対側から見てみませんか?

 

誰もいなくても、ビデオカメラをセットし、無人のまま録画しておいても、自分の振り返りになりますね。