英語学習は早いほど良いのか
今日は一日ずっと泥のように眠っていたような気がします。
一緒に遊んで!の声に応えられず、情けない親だと分かっていながら、子どもと一緒に遊んであげている先生のつぶやきを思い出していました。
ひと世代若い先生だからだ・・・と言い訳をしつつも、仕事に全力投球してしまい、余力を残さずに帰宅している自分を思うと、「嗚呼! なんと遊びのない男よ!」と思うばかりです。
さてさて、8月に出たばかりの近刊を読了しました。
書名とは裏腹に、本当にたくさんの過去の研究を網羅し、メタ分析を行った結果、著者なりの現段階での考えをまとめてくださっています。
●臨界期仮説について現段階で分かっていること、分かっていないこと
●母語の習得と年齢
●第二言語習得にタイムリミットはあるか
●先行研究の落とし穴
●年齢を重ねても第二言語習得に成功した人の例
●外国語学習における年齢の問題
こうしたことを丁寧に振り返り、考察した上で、早期英語教育について論じています。
はっとさせられたのは、やはり、第二言語習得と、外国語習得を混同してはならない、ということに改めて気付かされたことです。
先行研究の多くが、母語と第二言語の距離が近いヨーロッパでのもの、北米でのものであり、第二言語習得について行われているもので、日本の環境での外国語習得にそのまま当てはめるのは問題があるからです。
日本でも、中国や韓国ですでに加熱している「早期英語教育」(早ければ早いほどよい)という流れが生まれています。
しかし、少ないながらも外国語環境で行われた研究を整理すると、早く学び始めるよりも、どれだけ時間をかけて学んだか、ということの方が効果があるだろう、という結果が多く出されています。
また、外国語環境では、読み・書きも含めて考えると、母語の文字・読み・書きについて学んだことが正の転移を見せることがあるようです。
そうなると、あまりに低年齢になると、母語での読み・書きも学ばないので、7から9歳くらいから第二言語を学ぶことの方が効果がある、との研究も出されています。
この本を読んで:
●インプットをやはり大事にしたい
教科書の内容や新出単語を学ぶ際も、よく聞く、というところを大事にしてから音読・発音をさせる、など
●使いっぱなしで終わらずに、しっかりと頭の整理をさせたい
文法指導の大切さを忘れない(でも、それだけではない)
メタ言語感覚・知識を身につけさせたい
と思いました。
こうしたことを、教員養成の段階から学ぶこと、現場の教師たちも、改めて学び直すこと、をしっかりとしないといけないのだなあ・・・と考えさせられた1冊でした。
少し難しいですが、本当にいい本でしたよ!!
ぜひ読んでみてください!