教育実習生からの便り 時間を置いての振り返り②

大学での事後指導,振り返りが終わったようです。

 

このタイミングで,振り返りが届いているんだな・・・

 

前回紹介した学生さんとはまた違った視点からの振り返りが送られてきました。

 

背伸びせず,正直に,飾ることなく自分の気持ちを綴ってくれています。

 

 

真剣に自分を見つめているからこそ,思いきり悩むんだ,と思います。

 

悩んでいいんだ,と思います。

 

じっくり!

 

 

ありがとう!!

 

 

教育実習を終えて

 

 教育実習に全力で取り組んだ9月も過ぎ去り、大学では後期の授業がスタートした。終わってからというもの、毎日遊びまわり夏休みを謳歌し、今年の夏は今までの夏休みの中で最も濃く充実していたと思える。

 

 私は教育実習が不安で仕方なかった。正直なことを言えば行きたいとも思っていなかった。教育実習を中盤に控えた状態での夏休みは何をしていても教育実習のことが頭によぎり、何も楽しめなかったことを鮮明に覚えている。

 

 しかし私が何と思おうが時は過ぎ、教育実習の初日を迎えた。授業の方法どころか生徒の接し方さえままならないような私たちを、附属中の先生方と生徒のみなさんは温かく迎えて下さり、不安が少し和らいで、帰り道の足取りは重くなかった。

 

 いざ教壇実習が始まると、自分の思い通りに進んだことなど一度もなかったし、タイムマネジメント能力の低さには愕然とした。しかし、生徒が使って欲しい文法事項を積極的に使ってくれた時や、自分の提示した話題に食いついてきてくれた時などは、ポジティブな気持ちになれた。そして何より、生徒が私の授業が楽しかったと言ってくれたり、授業中に笑顔になってくれたりすることが、私にとっての救いでありやりがいであり喜びであった。毎日行った授業の振り返りをし、次の日の授業に反省を活かしていくプロセスは、授業の進歩でもあったが、自分自身の進歩でもあった。自分自身を毎日更新していくことが、教師としてのあるべき姿なのかもしれない。

 

 教育実習を終えた今、ゆっくり自分自身の将来を見つめ直している。自分が本当は何になりたいのか、将来本当にやりたいことは何なのか、実習を経て少し分からなくなってしまった。子どもたちと関わっていくこと、共に成長していくこと、魅力的でないはずがない。しかし、そんな魅力的でやりがいのある仕事であるにも関わらず、教師の退職率は低くない。精神疾患になって辞める人も少なくない。実際に教育実習の間、先生方のことを見ていると、分刻みで予定が入っていて、暇な時間というものが一切ないように見受けられた。他の企業でもそうなのかもしれないが、土日に部活などがあることや保護者対応や校務分掌のことを踏まえると、ここまで忙しい業種もないだろう。私はその問題をどうにかして解決したい、と思うようになった。現状を変える、ということ程難しいことはないと思う。しかし、次の世代を担っていくのは紛れもなく私たち自身だ。私たちが変えていかないといけない。あと数ヶ月程しか考えている余裕はないが、悩み抜いて悔いのしないような選択をしたい。

 

 いずれにしても今ここでこうやって考えることが出来ているのも、T先生をはじめとする中学校の先生方と生徒の皆さん、他の教生の皆さんのおかげです。感謝の気持ちを忘れず、精一杯自分の道を進んでいきます。ありがとうございました。