問題意識があるから気づける! どんな視点で授業観察をするか!

昨日,授業観察に来てくれた中学校の先生の振り返りです。

 

内地留学に行く機会を得て,これまでの自分の授業を真摯に見つめ直し,授業改善がしたい!と強く感じているのだなあ・・・

 

自分が授業をしていて抱えている課題について,明確に掴んでいるのだなあ・・・

 

課題の解決のために熱心に学んでいるのだなあ・・・

 

ということがメールからがんがん伝わってきます。

 

 

熱いですね-!

 

 

なんとなく,ではなく,真剣に考える,教科指導の専門家としての自分を磨き続けることは,とても大事なことだと思います。

 

 

先ほどの投稿で紹介したメールの内容もそうですが,こうしたメールから私自身が本当に強い,大きな刺激をもらっています。

 

本当にありがとうございます。

 

 

みなさん,どんな意識で自分の授業,自分の課題を見つめていますか?

 

 

 

 

T先生

 

 本日はお忙しい中、授業を参観させていただき、本当にありがとうございました。

大きなことから小さなことまで、本当に学びの多い4時間でした。私が感じたことを振り返らせていただきます。

 

 まず、最初にご説明いただきましたとおり、生徒が教科書を読む前に、なぜそれを読むのか、教科書を読む意味(必然性)を与えたことが大きな意味を持っていると思いました。それが生徒に、教科書を読む動機付けをするのと同時に、内容に関する十分なインプットとなっており、その後の理解に大きな差が出るのだと思いました。

 

 私は自分の授業で、どうやったら生徒の「やらされてる感」をなくして、主体的に学ばせるか、を悩んできました。それは、ゲームなどの目先の楽しさでだけではダメで、本当の英語を教えたいとずっと感じてきました。しかし、それをどうすればよいか、分かりませんでした。いつの間にか教科書から離れられない指導者になっていました。

 

 内地留学で学び直しの機会をいただいてから、その方法を考えたいと思っているところです。英語は教科書の中の話だけではなくて、リアルな世界にあるんだよ、ということを感じさせることが大切だと思います。それには、Authenticな教材を用いたインプット、意味のある活動、が必要です。それらに今、非常に興味があります。

 

 そのような視点からも、T先生の授業は大変勉強になりました。

 今回、教科書の内容を、最初のインプットで、ぐっと身近な話題に持ってきた、それこそが今日の授業のキーであったと思います。

 

 しかも、そのインプットの仕方も大変勉強になりました。What color do you like? と簡単な質問から入ったり、体育祭の話題に触れたりして十分にウォームアップがなされ、その後は、実際に自分の洋服のタグを見つけるなどの 「動き」が入ったり、カカオの原産国でクイズ形式を取り入れるなど、生徒を飽きさせずにひきつける仕掛けが随所にみられました。強引ではなく、あくまでも自然な生徒とのインタラクションの中でインプットが十分に行われていました。すごいな、と思いました。

 

 これにはやはり、先生の英語力がすごいな、と思いました。教師としてあれだけの人数の生徒と十分に英語でやりとりしながら、同時に授業の舵をきっていく、というのは相当難しいことだと思います。生徒のどんな答えも、おだやかにきちんと受け止めて、またリアクションを返す。という本当の意味のあるコミュニケーションを教師ができないといけないな、と思いました。

 

 そして教材研究の視点からですが、テキストが「本当に伝えたいメッセージ」を教師が読み取り、生徒にわかりやすくインプットしていく、という、教材の扱い方も勉強になりました。

 

 次に、生徒に、目指す姿、というものを、授業中でも伝えている、ということです。

最初にそれを説明もする、ということでしたが、授業中に、「学期末は会話テストがあるね。」とか、「即興で話せる人になりたいね」などのメッセージを折に触れきちんと伝えていることです。これも自分はほとんどやってませんでした。目標をこまめに確認することが生徒のモチベーションを保つ、一つの大きな鍵であると思いました。

 

 本日、3人の先生方の授業を拝見させていただいて、「その先にある、本物のコミュニケーションにつなげる。」という授業をされているのが、本当によくわかりました。どの先生がたの授業も、驚くほど生徒とのコミュニケーションが盛りだくさんでした。決して無理やり先に進もうとしている感じはなく、それでいてねらいに近づいていく授業であり、それには随所に細かな工夫がしてあるのが分かりました。

 

 こんな授業を受ける生徒たちは幸せだと思いました。先生とコミュニケーションできて楽しく、しかも力の付く授業。そしてその先に何ができるようになるかはっきりと見えている安心感。きっと中学3年間の英語を習得した後には、その先にあるリアルな世界へ、自信を持って飛び込んでいけるだろうな、と思いました。

 

 安心感、といえば、間違ってもいい安心感を持たせるような言葉かけや仕掛けも印象に残りました。難易度の高い基礎英語では、"Don't worry. Keep listening."とおっしゃっていました。また、指名した生徒が答えが分からなかったら、別の生徒を指名するのではなく、迷わずもう一回聞かせる。随所にペアでの10秒チェックを入れる。そんな細やかな配慮が、大切であると感じました。

 

 また、授業に関係のないことでも、"You look very calm today. What happened?" と声をかけたり、また、" I don't like your way of sitting."と声をかけたり、とにかく先生の英語力、そして生徒とのコミュニケーションの取り方、指導の仕方、クラスによって導入の方法も変えていた、その柔軟さ、等、すべてが勉強になりました。

 

 また、公開授業ではない、普段の授業を参観させていただいたことが、また勉強になりました。

 A先生のプロジェクトの発表の授業や、文法の説明の部分も大変勉強になりました。これも言語の使用場面を十分に意識して、十分にインプットしてからの説明でした。そのため、コミュニケーションのための文法説明になっていました。大変勉強になりました。

 

 B先生のスピーチの発表のビデオでは、発表者が一方的に話して終わりではなく、リスナーとコミュニケーションをしているのが印象的でした。また、ブレインストームから原稿作りに入る手法も、ワークシートから学ばさせていただきました。

 

本日は、お忙しい中、本当に、本当にありがとうございました。