文法指導を生徒たちと行う協同的なものにしたい
教科書の内容理解の授業の流れの中で、本文中に含まれるターゲット文をどう指導するか、というステップがありますね。
内容理解を行う上でも重要になりますし、新出言語材料の意味や用法を生徒に理解させるためにも大切なステップです。
みなさんはどんなふうにこのステップを扱っていますか?
「今回出てきたこの文は・・・・・というものだよ。」
と、解説をしてしまう、という人は手を挙げて・・・
それ以外の方法で指導をしている人は?
今日、教育実習生とディスカッションをしたのは、このことでした。
間接疑問文をどう教えるか、生徒たちにどう学ばせるか
考えました。
「直接疑問文と間接疑問文との違いは、語順である」
ということを例を挙げながら解説する、という答えが返ってきました。
なるほど・・・
でも、どうして語順が異なるのか、という疑問が生徒の中に浮かんだら・・・
その指導の流れでは、彼らの疑問に答えることにはなりません。
中学生が英語モードになって集中が持続するのは・・・
ただ単に聞いている、読んでいる(目的がはっきりしないままならなおさら)、という時には、3〜5分、が限界だな、と経験的に感じるのではないでしょうか。
文法のまとめ、のような時、受身的に話を聞いているだけ、だったら、同じように集中は長く続かないでしょう。
(科学的な根拠があるわけではないのですが・・・)
私が行っているのは、
「どうしてこうなるんだろうね。」
「周りの友だちと話し合って理由を探ってみてよ。」
と生徒に問いを投げかけ、彼らなりの理屈を引き出す、ということです。
発言をつないでいくうちに、なかなかのアイデアに出会うことがたくさんあります。
苦労して紡ぎだしたアイデアも、即否定せず、クラス全体で共有して、その意見に納得ができるかどうか、シェアします。
そんなステップを繰り返しながら、洗練されていくアイデア、それに教師がお墨付きを与えたり、まとめたりしながらファシリテートして、最後に板書にまとめていく、という流れです。
ちゃんとしたことを教えなさい、と、語学の先生に叱られそうですが、中学生、という子どもたちの集中力、彼らの発達段階、理解の程度などを考えると、悪い方法ではないのでは?と思っています。
Do you know _________________ ?
の目的語が入るスロットに、
Where is Takeshi from?
が入っていくと・・・
主になる疑問文のクエスチョンマークと、目的語に入っていく副次的な疑問文のクエスチョンマークが重なります。
どちらが優先か、を考えると、上の例で言えば緑で示した主になる疑問文のもの、になります。
そこで、朱色の疑問文のクエスチョンマークを削除すると、朱色の文が疑問文として成り立たないこととなり、主語とbe動詞を入れ替えて、肯定文の語順になる必要が生まれます。
こんなことを子どもたちとインタラクティヴにやりとりをしながら、一緒に謎解きをしていくのです。
こうした3〜5分は、生徒たちをアクティヴにさせる時間になるのでは、と思いますが、どうでしょうか。
英語の授業は英語で、と言われますが、理解を促進し、その言語材料の意味や用法、働きやどんな場面で使われるのかをつかんだり、帰宅後自学自習をする際に、自力で復習ができるようにしたりするには・・・
を考えると、日本語を有効に活用するに値する時間、場面だと思っています。
50分のうち、こうした貴重なプロセスに使う5分の日本語タイム、「あり」だと思います。
文法指導を生徒たちと行う協同的なものにしてみませんか?
参考にさせてもらっています!