Mさんの授業から学んだこと
昨日投稿したポストで,福島の仲間,Mさんの話をしました。
思いを込めて送ってくれたSDカードの中に保存された授業を,大切に,大切に視聴させてもらいました。
福島と言えば,たいへんな経験をして,今もその影響を強く受けている場所です。
Mさんのところも例外ではなく,子どもたち,そして先生たちも,その影響を受け,様々なしんどい体験を経て,今を過ごしているそうです。
ファインダーを通して見えてくる生徒たちの姿は,そんなことを感じさせないような明るさで,先生との信頼関係が築かれ,温かに学び合っているものでした。
自分の教室はどうか・・・。
50分間を通して,自然に,無理がなく,前向きに学ぶ姿を見続け,そして,先生の問いかけに,リラックスしつつ,前向きに反応している生徒さんたちの姿に,大いに感化され,刺激を受けました。
そんな教室を創っている,後輩Mさんのすごさをまざまざと感じました。
視聴後,自分が感じたこと,気づいたこと,学んだことをフィードバックすると,即,上書きされたファイルが送られてきました。
感性が合う,感覚が合う人とのやりとりは,タイミングも内容も,本当に気持ちがよいものです。
以前,会ったことのない私に,Mさんは,soul mate,という呼び方をしてくれたことをよく覚えています。
まさに,そうなのかもしれません。
ありがとうございます。
コメントのキャッチボールをした中で,話題になったのは,interactionについてです。
トレーニングの大切さを認めつつ,言葉を,本物の(それに近い)状況で実際に使う体験をさせたい・・・ということで,次のような問題提起をしました。
Oral Interactionとは・・・
≠ Q&Aの一問一答形式
対話 ≠ 質疑応答
本時のターゲットである,What time is it?
時間を聞く = どんな目的で聞くのか → contextとして与える
例)海外の友人に電話をしたい,でも,大丈夫かな・・・時差で眠っていないかな?
JTEの海外の知人の写真などを見せて,どこに住んでいるかを地図で当てさせて,その上で,何時かを考えさせるなど・・・ たとえば,下のようなinteractionでcontextを作ってはどうか。
JTE : Look at this picture. Do you know him?
SS : I don’t know!
JTE : He is my friend. His name is Jack.
SS : Oh! Jack.
JTE : Yes. He doesn’t live in Japan. (未習だが,定着させる,という目的ではなく)
Where does he live?
SS : Where?
JTE : OK, three hint quiz! Hint 1. The country has a big tower.
SS : America!
JTE : America? He lives in America? No!
SS : England?
JTE : Does England has a big tower? I don’t think so. Hint 2. Food is very delicious in the country.
SS : Italy!
JTE : Do you think so? Mmmm,,, Italy. No!
SS : どこだろう!! わかんない!
JTE : Hint 3. Many people in the country don’t speak English. こんにちは is Bon Jour in the country.
SS : わかった! フランス!!
JTE: That’s right! He lives in France. Look at the world map. Where is France?
SS : 指で指して・・・
JTE : That’s right. France is here. I want to (未習だが)call him now. (携帯を出して) Is it OK?
Is he sleeping now? What time is it in France?
SS : えー,何時だろう・・・
(コンテクストを作るときには,すぐに答えを教えず,大事なことを彼ら自身に考え,気付かせてはどうか,地理で時差を学んでいるはず! しばらく考えさえ,泳がせておく,もしかすると答えが出るかもしれない)
JTE : What time is it in Japan now?
SS : It’s two forty five.
JTE : What time is it in France now?
SS : ・・・・
JTE : ここでようやく世界時計を示して What time is it now?
このようにcontextを作れば,どんなときに時間を尋ねるのか,生徒たちは体でつかめるのではないか。
時間を尋ねるときの目的も示せる → function + meaningをformとともに落とし込めると考えます。
また,interactionも,広がりを見せるのではないでしょうか。 いかがですか。
こんな問いかけに関しても,Mさんは誠実に答えてくれました。
さすがしなやかです。
多くの授業を参観してきて,contextのない授業が多いなあと感じてきました。Mさんの教室なら,一工夫があるだけで,さらにパワーアップし,すごいものになる!そう実感しました。
それにしても,温かで,生徒に力のつく授業でした。
後輩に負けないように,がんばらないと!
Mさん,ありがとうございました!