文教大学での研修会,参加者の方から ②

f:id:takaenglishteacher:20140322160450j:plain 研修会から広がる学び

 

22日の研修会からあっという間に4日間が過ぎていきました。

 

早いなあ・・・

 

また文教に戻りたい!

 

そうこうしていると,研修に参加をしてくれた方からのメールが届きました。

 

メールをいただくときには,研修の中で自分が疑問に思ったことや,もっと知りたいこと,を,今の自分が最も気になっている部分について教えてほしい,ということが多いです。

 

これは,自分が研修会の受講者として参加するときにも,全く同じことをしている・・・と思うことでもあり,自分ができる精いっぱいの回答を,できるだけ早くしたい,と思って対応しています。

 

だって,自分のような者につながってくれている人です,大切にしたいですよね。

 

今回は,阿野先生が教えておられる,W大の教育学部の方からです。

 

文教まで駆け付けてくれていたんですね。

 

ありがとうございます。

 

彼からのメール,疑問は,確かに気になるよね,という視点から書かれたものです。みなさんにとっても参考になる,と思うので,やりとりの一部を紹介します。

 

 

 

先日の講演会ではお忙しい中貴重なお話をしていただき、大変勉強になりました。私は公立の中学校の教員となるため、T先生のお話を聞き、改めてマクロとミクロな計画の大切さを実感できました。

さて、本メールは、T先生にいくつかお伺いしたいことがあり、誠に勝手ながら送らせていただきました。



1.Oral introductionをベースに英語のインプットを増やそうと考えています。T先生が英語でインプットを生徒に与える際、どういったことに気をつけておられますか?特に、英語で説明や質問をしても生徒があまり理解できていないとき、どうするか等に興味がございます。

 


2.生徒の自動化(スピーキングにおいて)を促すコツはどういったものでしょうか?
T先生の生徒のスピーチを拝見したとき、生徒がI like ~ because...と続けていました。私は生徒が自身のことをなるべく詳しく説明できるようになってほしいと考えております。しかし、自動化するまでは(特に一般の公立の中学生には)時間がかかるもので、授業にどれくらいウェイトをかければよいか、中々想像できません。

 


まだまだたくさんお伺いしたいことはございますが、現在のところは以上が私の主な懸案事項です。
内容が漠然としたものが多いかもしれませんが、ご容赦ください。

お返事をいただければ幸いですが、いただかなくとも構いません。お礼をお伝えできれば、と考えております故。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

私が送った回答です。拙いと思いますが・・・

 

 

1 オーラル・イントロダクションについて

 教科書の内容などを導入する際にオーラルイントロダクションを行いますね。

 その時に今実践しているのは,SLAと絡めて,こんな流れでイントロまでたどり着きます。

,かせる

 ②聞いた情報を仲間とシェアし,不安を解消させながら繰り返し聞かせる

 ③答え合わせをする

 ④オーラルイントロダクションを行う
   ピクチャーカードを使いながら,インタラクションを交える
   絵から読み取れる情報を生徒に発問し答えさせる
   長くなりすぎないように心掛ける(3分以内 5分を超えると集中が切れる)


。するか,。

,。

にリキャスト。


 ⑤内容理解の程度を把握するT-Fを行う

 ⑥教科書を開本させ,音声を聞かせる
   文字と音とを結びつけさせるように,指で追って聞くように促す



2 自動化までの道のり

 これは正直,本当に時間がかかります。長いスパンで考えないと,生徒も,教えているこちらも本当に苦しくなります。

 今回,お話させてもらった,年間のゴールに向かっての指導計画の構想や,どんな活動を組んでいくのか,がポイントになると思います。

 当日話さなかったことを言えば,暗示的な取り組みと,明示的な取り組みのバランスかと思います。

 最初から明示的に説明しすぎてしまうのではなく,

 言語材料に自然に出会わせ,形式・意味・機能を一体化して捉えさせる

 教師が自己開示してインプットを与える → インタラクションで生徒を巻き込む

 → ここまでで掴んだ言語材料について簡単に整理する
 → コミュニケーション活動ができるように練習をさせる
 → 実際にコミュニケーションさせる(ペアでの対話など)
 → 使い終わった後で,実際にどんな言語材料だったのかを生徒の気づきを引き出しながらまとめる
 → ノートに整理

 → ワークなどで知識を確認する


 こんな流れです。

 暗示 → (少し明示) → 口頭練習 → 実際に使ってみる → 明示 → ワークなどで演習

 でしょうか。

 
 やりとりさせたことをメタ的に捉えさせるために,やりとりの内容を書き起こさせていますが,そこには明示的なフィードバックを与えて,正確性を徐々に高める工夫をしています。

 こうしたシンプルだけれど,大切な繰り返しをずっとしているうちに,生徒の知識が, 実際に活用できるアクティヴなものになっていくと思っています。

 それでも,自動化はまだまだ。。。だと思いますが。

 彼らが卒業して,ようやくその成果が見える,ようなものではないでしょうか。


いかがでしょうか。

 

 

メール,本当にありがとう!