3年間の集大成 ファイナルスピーチへの道③
十分に時間をかけて取り組んでいるスピーチ作成も,下書き原稿が大まかに完成してきました。
どんなことに気を付けるか,というところについても,今回はこちらから示さず,
「これから小グループでお互いの原稿を読んでアドバイスをし合うよ」
「自分の原稿を読んでもらうときに,どんな視点で見てもらいたいかな?」
と投げかけました。
ついつい,転ばぬ先の杖,で気をつけてほしいところをこちらから示してしまうことはないでしょうか。
3年間の集大成だからこそ,このときにこんなことができるようになってほしいと願って学び合ってきたからこそ,今回は敢えて,彼らにタクトを預けたい,そう思ったのです。
きっとできるはず!
そして,時間を取った後で,彼らから出てくる意見を黒板にまとめていきました。
●スピーチ全体の流れがどうか
●読んでみての感想を率直に
●文章の構成がどうか
●もっと膨らませた方がよい場所などを具体的に
●文と文のつながりがどうか
というようなマクロなものと,
●細かいミスの点検など
というようなミクロのものとが出されました。
どのクラスからも同じような意見が出てきました。
自分たちでリストにした視点をもとに,互いの英作文を読み合い,色ペンで書き込みをし合うようにしました。
このあたりは中嶋先生の実践を大いに参考にしています。
協同的な学びの要素ですね。
英作文に入る前に,パラグラフライティングについて冊子を配布し,これまで体感的に学んできたことをまとめて整理しました。
友人との読み合いは,プロセスライティングの一環にもなっています。
いいな,と思ったところ
改善が必要だと思ったところ
それぞれに色分けしてアンダーラインをし,具体的なコメントを吹き出しで記入するのです。
中嶋実践では,制限時間を決めて,緊張感を生み出し,その中で集中して読んで回覧していくような取り組みだったと思います。
しかし,じっくり,自分たちでじっくり,自分たちなりのペースで学びたい,生徒はそう思っているのではないか,と,大学院生として学習者体験をした私は,使える時間の総枠を示し,その中で自由に取り組ませるようにしました。
早く終わった人は,その次に行うべきことを示し,個人の学びのペースの差に配慮するようにしました。
一見すると見守っているだけの先生には,本当に「暇」なような時間が生まれます。
でも,先生がゆったりしているときは,子どもたちは能動的に学んでいるときでもあります。
じれったさに負けて,必要のない手出しをしないように,少し距離を置いて子どもたちの様子を見守りつつ,必要があるときにサポートできるようにしています。
このあたりは,みなさんにもぜひ共有してほしいところでもあります。
これからは,個別のペースに対応し,
●友人からのコメントをもとにreviseした原稿を提出し,先生のチェックを受ける
●先生のチェックが終わったら,色紙の清書用紙に英作文をする
●清書が終わったら,原稿を読みこんで,暗唱できるようにする
みんながここまでたどり着いて,発表の練習を協同的にできるようになるまでこれらが続きます。
さあ,これからどんなふうになっていくのか・・・ 楽しみです!