茨城県からの授業参観

今年度も、授業観察のための来校が始まりました。

先日は、隣市のK市から、年間を通した授業改善のためのプロジェクトの一環で、拠点校から2名、行政から2名、の来校がありました。

 

今日は、水戸から2名の先生が来校されました。

代休を利用しての訪問です。

 

こうして、授業改善に取り組もうとする先生方がいる、ということは、本当に嬉しく、同志、のように感じます。

 

1年生から3年生までの3授業を参観していただいて、その後、昼休み・5時間目の英語科部会までを振り返り、ディスカッションの時間として、共に学び合いました。

 

私は1年生の教科書の内容理解の授業を見ていただいたのですが、参観してくださった2名のうち、1名の先生(以前から交流のある水戸市のMさん)がすぐに振り返りを送ってくれました。

 

詳細な振り返りに、感心しきりです。素晴らしいですね!

本当にありがとうございます。

 

ご本人の了承を得て、紹介したいと思います。

みなさんともシェアして、一緒に学んだり、気付いたりしたいと思います。

 

 

まず第一に感じたのは,先生と生徒,生徒同士のラポールです。
これは英語だけに留まるものではないと思いますが,先生の日頃の温かな生徒への関わりが下地をつくっているのだろうな,と思いました。
子どもたちの言葉を上手く拾い,会話をつないでいき,英語の授業なんだけれど,普段するようなおしゃべりを楽しんでいる印象を受けました。
既習の言語材料にとらわれず,でも,先生の表情・声のトーン・ジェスチャーなどで生徒の理解を促進していました。
インタラクションを直接的にとっている生徒だけでなく,クラス全体がそこに参加していました。
対生徒・対教師関係なく,互いを尊重する姿勢っていいですね。ほっこりしました。

おしゃべりを楽しんでいる,といっても,そこには今日の教科書の内容につながる材料がちりばめられていました。
自然な流れで,ピクチャーカードを用いて教科書に近づいていって,教科書を開本するときには,もうある程度の話の流れがつかめていたように見えました。

私も教科書の内容にふれるときには,同様の迫り方をしますが,内容によっては最初のインタラクションから上手くつなげられず,失敗したなーと思うことも多々あります。
どんな話題を取り上げるか,大事ですね。

 

 

ペアでの対話活動の中で,途中から日本語量が増えていくのが最初は気になりました。
よくよく考えてみると,ある程度の量を話させたいときには,話したいことはあるのに,「英語でないとダメ!」と徹底してしまったら,だんだん自分の言いたいことを心の中にしまって,発言をしなくなる生徒が増えてしまうよな,と考えを改めました。
友達同士の相談タイムやアドバイス,先生や友達の発言を聞いていく中で,ひと月後,半年後,1年後,2年後になったときに,英語で表現できることが増えていけば良いのですよね。
教師が求めすぎるがために,生徒の思いを封じ込めてしまうこともありますね。
その時々に,これだけは!と思うものはおさえながら指導したいと思いますが,学びのスピードも個々さまざまなので,子どもたちのニーズを捉えつつ,焦らずやっていきたいです。
(ただ,そういう思いでいても,授業研などでは生徒が日本語を使っていると,まずひどくツッコまれるので,悩むのだと思います。)

 

 

今年度,発音(音に対する意識)をさらに意識されている,と記憶していますが,その指導が子どもたちに生きてきていると感じられました。

今日焦点化していた th だけでなく,fとvなども良い発音していましたね。
1年生は音に敏感ですね。
学年にとらわれず常にそうあるべきだと思いますが,特に1年生は大切にしなくては・・・。
私は3クラス2年生,1クラスのみ1年生をもっていますが,最近,音に対する意識のもたせ方が自分の中に薄れてきているなぁと反省しました。

 

 

ここから質問が2点です。

まず,新出単語の扱いですが,いつも全て日本語での確認までされているのですか?
今日のインタラクションから教科書開本までの流れを考えたら,十分意味はつかんでいるように思いました。
さらに予習ノートで,辞書を活用し,事前に調べて例文等を記したりしているのですよね?(一番後ろに座っていた女の子に教えてもらいました。)
もちろん,日本語がないと分かりづらいものもあるかとは思いますが,
再度ピクチャーカードなどを提示したり,リフレーズしたり,例文を示したりすれば,日本語がなくても文字とのマッチングもできるように思います。

そちらでもおうかがいしましたが,1年生の現段階でどこまで明示的に,文法についての解説をするのかは,疑問が残ります。

例えば,使用する教科書はそちらのものとは違いがあるかもしれませんが,こちらでは,国語の授業で品詞について学習するのは,3学期だったように記憶しています。
国語と英語ではもちろん違いはありますが,母語の知識を上手く活用することもできるように思うのですが,いかがでしょうか。
今日「助詞」を使っていましたが,果たしてどれだけそれを理解しているのかな,と感じました。

 

冠詞については,難しいですね・・・。私自身,中学生時代大っ嫌いな分野でした。
それでもなんとなく経験の中で間違いながら使い,なんでだろうと思った時に説明を受けて,すっと自分の中に入ってきたように思います。
とは言え,例文を示したり,実物を用いながら,多少なりとも説明はしますが・・・。

先生がブログに紹介していた本も読みましたが,未だに,考えれば考えるほど私自身混乱してしまうところもあります。
子どもたちにとってはどうなんでしょうね。

どこまで暗示的に,どこまで明示的に,私はこれからも悩み続けると思います。

 

 

最後に,今日何よりも感銘を受けたのは,そちらの英語科のチームワークです。
あんなふうに率直に授業について語り合える間柄,同じ方向を向いて生徒を育てているんだなぁと,うらやましく思いました。

授業についても,大きな流れはみんな共通にもっていて,だからこそ1年生が1年後今日の2年生のような姿に,2年後3年生のような姿に成長していくんですね。
現実問題,私の学校ではなかなか難しいのですが,少しずつでも近づけるように,懲りずにアプローチしていきます。