i + 1 をどこに設定するか
手甲
ベラルーシ出身の心理学者ヴィゴツキーの提唱する,発達の最接近領域の考え方では,自分の持っている現在の力よりも,少しだけ高いものに触れると,成長が一番促進されると言われています。
i + 1
i は 「自分」
1 は 「自分のレベルよりも1段階上」
を表します。
たとえば,授業の中でリスニングをさせるとしたら(40人学級なので,40通りの実力があるので,物理的には40種類のレベルのものを準備することになりますが,それは無理なので・・・),未習の語彙は,いくつかに留め,前後の文脈から類推できるようなレベルに設定するとよい,ということになります。
昨日は,那須は福島県との県境にある中学校まで,県全体をオープンにしたブレックスカップの予選リーグを戦うために出かけました。
3チームのリーグで,首位のみが決勝トーナメントに進みます。
勤務校は,といえば,1週間子どもたちが午前中や2時間で下校してしまい,部活動はできない状況で,大会に臨むこと自体が難しかったのですが,初戦を37-35で競り勝つことができました。
昨年10月に事情で顧問となり,それまで公式戦勝利がなかったチームでしたが,今回で2勝目となりました。
試合が終わって感涙するメンバーもいて,顧問として本当に嬉しい瞬間でした。
一方で,体力の消耗から,メンタル的にもすり減って,2試合目は試合中にも関わらず意識が遠のく様子が見られるようになってしまいました。
後輩をコートに送りだし,休養を与えながら試合を乗り切りましたが,最終的なスコアは,これまで顧問をしてきた中で最大の点差で敗れる,という結果に終わりました。
前任校で顧問をしていた男子バスケットボール部は,伝統的な強豪校で,県外遠征を頻繁に行い,大会でも好成績を残し続けてきた部だったこともあり,ギャップは大きいのですが,i + 1を意識しつつ,子どもたちに向き合っているつもりです。
初心者ばかりであっても,前向きな姿や,がんばる気持ちはいっぱいもっている子どもたちだからこそ,精いっぱい向き合いたいと思います。
しかし,帰りのバスの中で,にぎやかに談笑する様子を背中に感じつつ,「勝利」に対しての執着心や,これからどう練習をしていくか,という部分に向き合えているのか・・・と考えました。
この子たちと一緒にめざす,最終ゴールをどこに設定すべきか,そして,日々の練習で取り組む i + 1はどこに置くのか・・・
もちろん,子どもたちが主体となって,設定すべきゴールであるべきだと思います。
しかし,顧問としても考えを深めるとなると・・・
15年ぶりの女子の指導,そして,途中からのピンチヒッター顧問, 初心者の子どもたち・・・
難しいですね・・・
部活の顧問として,悩みますね。
Take it easy!
を自分に言い聞かせて!