思うようにならなかった一日
2年以上前になります。
夏休みに息子が自動車に轢かれる、という出来事がありました。
当日、長野県は松本市での研修会講師を依頼され、午後の研修の時間を終えて携帯電話を手に取ったところ、何件もの着信歴とメールが届いていました。
息子が車に!!
校長室で出されたお茶に口をつける間も惜しんで、無理を言って幹事の先生(知人のKさん)にお願いし、松本から長野まで高速道路をひた走り、長野新幹線に飛び乗って地元の病院にたどり着いたのが夜の10時半ほどだったのをよく覚えています。
それから2年あまり・・・
折れた歯の治療(差し歯)
裂けてしまった唇の治療
10メートル近く飛ばされたにもかかわらず、幸運にも頭を打つことなく、受け身も取っていたようで、命には別状がなかったものの・・・
運動には支障がないのですが、傷など、後に残ってしまうものができてしまいました。
一番苦しんだのは本人です。
だから、そこに寄り添うのは苦ではない、と思いますが、先方は保険会社の担当者が事後処理を担い、こちらは私が先頭に立って交渉もするため、精神的な負担は小さくありません。
2年間ステロイドのテープを貼って治療してきた患部を、いよいよ切り取って形成する手術の日程が決まりました。
午前中半休の予定が、思ったよりも長引いて、結局1日のお休みを取らなければならなくなりました。
授業はどうする・・・という思いもありましたが、こんな時に何を優先すべきかを考え、補教をお願いし有給休暇を取りました。
先日骨折した仲間の痛がる姿を思い出しながら、あいつがあんなに頑張ったんだから、僕は頑張れる、と言っている13歳の顔を見て、胸がいっぱいになりました。
事故の被害を被ると、こんな思いになるんだな・・・
もっともっと重い影響を受けている人だって数え切れないほどいるんだろう・・・
そう考えると、ここで頑張らねば!という思いも湧いてきます。
また、事故だけではなく、いろいろな場面で、不安になっている生徒や、保護者の方が、そんな不安を抱えているとしたら、一体どんな風に接していったら良いのか、改めて考えていきたいな・・・と思いました。
杓子定規的な対応で、言葉に心配の思いが感じられない・・・
そんなことだけはしたくない・・・
自分が担当されてみて、そう強く感じています。
思うようにならなかった一日ではありましたが、1日中一緒にいてやれて、良かったと思っています。
何時間も待つことになった間に、息子は息子で読書をし、自分も本を読了することができました。
思うようにならないこと自体も、それはそれで当たり前、ある意味、泰然自若としていて、しなやかに居る、そのことの大切さと、今日一日が重なって、深い理解につながった気がします。