英語を使って,考えや気持ちを交流する場を提供する
教育雑誌やマスコミ,そしてネット上でも,英語授業のあり方について,さまざまな考えが示されています。
ことばがどのように習得されていくのか,明確な姿が完全に明らかにされていない以上,議論が巻き起こるのは自然なことだと思います。
どんな授業が・・・と綴っていく前に,ちょっと昨日の話の続きを・・・
昨日,研究の会議があったことは,前回の投稿で触れましたが,その際,ある先輩(中央の仕事も担当している方)が話していたのは:
「小学生が身につけるべき力や,小学生を育てていく先にあるゴールは,書店でもたくさん販売されているように,ルーブリックのような指標でかなり明らかにされている。
一方で,中学生のそれについては,小学生に比べて圧倒的に少ない。世の中が,中学生についてのイメージを創りきれていない表れである。
一般的に,中学生に求める力はかなり高い傾向にあり,中学生ががんばっても,求められている力に至らず,自分はできないのだ,と考えてしまう。
その結果,中学生の自己肯定感は高まらなくなってしまう。」
確かに,納得できる話だなと思いました。
みなさんはこの話をどう受け止めますか。
さてさて,授業のあり方について話を戻しますが,中学校段階では,どんな授業を創っていけばよいのでしょうか。
簡単に答えは出ないし,以前考えていたことと,今考えていることは違います。
また,先には,また考え方が変わってくるとも思います。
現時点での考えはどうか,を一言で表現するならば,
「ことばを通して考えや気持ちを交流する場」
( ≠ 語彙や文法をマスターするためのトレーニングの場)
としたい,ということでしょうか。
どれだけたくさん英語に触れ,どれだけたくさん英語を使ったか,そして,そのプロセスの中で,実際に相手が発信したことを受け止め,理解しつつ,他者に自分の考えや気持ちを伝える体験をできるだけさせたいと思っています。
もちろん,きちんと伝える,言い換えれば,自分の考えや気持ちを伝えるために,適切な語彙を選び,適切な表現(文法)で伝えることができるようにさせることも大切です。
そのためのトレーニングも必要です。
ただ,そのバランスが,正しさを求めたり,トレーニングの要素に重きを置きすぎているのではないか,と感じています。
スポーツや楽器演奏などで,技能を高めていくためには,失敗を重ねながら,実際にプレー,演奏し続けていくことが不可欠です。
英語についても,同じことが言えるのではないでしょうか。
今回,対話テストの2回目を終えて,さまざまな発見がありました。
ただ,失敗を重ねながら,自分の言葉を紡ぐ活動・・・
ワークシートを使うことを止めて,自分の言葉を自分で選びながら対話をさせる活動・・・
その積み重ねが,子どもたちの対話力を伸ばしているのだ,ということが確認されたことで,また少し,今の自分の考え方が間違っていないのではないか,と思えるようになりました。
自信を持ってYes!と言うまでにはまだまだ稚拙な自分の実践ではありますが,一度スタートしたことを,3月までしっかりと貫いてみたいと思います。
これからも,実際に,英語を使って,考えや気持ちを交流する場を提供していきたいと思います。