対話テストを終えて 「対話」 ≠ 「質疑応答」
第2回対話テストを終えました。生徒たちはがんばったなあ・・・いいぞ!が,第一声の感想です。
英語に向き合うことがなかなかできなかった子どもたちが,少しずつトライするように変わってきたことも収穫でした。
対話テストの善し悪しも大切ですが,学習姿勢が改善したことは,これまで粘り強く関わり,励まし続けてきた結果だと嬉しく思っています。
(もちろん,きれいごとだけでなく,たくさん叱ってもきましたが・・・)
リハーサル体験もしっかりとさせましたが,ALTとの授業で,「対話」とはいったいどんなものなのか,を考えさせたことも,大きかったと思います。
What do you like to do?
を例に挙げてまずはペアでの対話を2分間させた後,指名したペアにdemonstrationをさせました。
その後で,彼からコメントをしてもらったのですが,彼が最初に言ったのは:
Conversation is not a tennis match.
ということでした。
母語でcausalに話しているときには,話を進めるイニシアチブは頻繁にいったりきたりして,時には,相手の話を遮って自分の主張を通すこともあります。
テニスのラリーのように,対話が
A -
B -
A -
B -
と流れていくわけではないですね。
A:「ねえ,昨日9時からさあ」
B:「知ってる知ってる,見た見た,あの」
A:「そうそう,あのドラマ」
B:「リーガルハイ!」
A:「リーガルハイ,超好き!」
こんな感じで,両者の発話がシンクロするときのことです。
英語だと,扱いにくさもあって,相手の発話を最後まで聞き,それを頭の中で解釈しているうちにタイムラグが発生し,どうしてもカクカクしたやりとりになってしまいがちです。
ときには助け船を出したり,相手の発話をさえぎっても言いたいことを言ってしまったり・・・
と,脱・テニスの試合となるようにアドバイスがありました。
たくさんの対話の機会を与えつつ,その後でALTと実際に対話させたりしながら,本番のための準備を整えていきました。
すべてのペアが,投げ出すことなく2分間の対話をやりきりました。
ときに沈黙も起こりましたが,自分たちなりにリカバリーをすることもできていました。
まだまだ質疑応答的な場面も多々ありましたが,1学期に比べて,より一層自然な流れで対話ができるようになっていました。
と,満足だけして終わってはいけません。大切なのは,実はこれから,です。
リフレクションをしっかりと行うこと
しっかりと自己評価ができるように,モデルと自分たちの対話の相違点に気づき,よさを感じ取ったり,改善すべきところを明らかにしつつ,これからどんなことに気をつけていくべきかを見つけさせていきたいと思います。
昨日の研究の会議で先輩が話してくれたことの中には,次のようなこともありました:
「授業を通して,生徒をどこまで成長させるのか,教師自身がしっかりとしたイメージを持っていない。その結果,生徒に取り組ませたもの・ことに対して,しっかりとしたフィードバックが与えられず,生徒は,自分の取り組みが果たしてよかったのか,そうではないのか。何ができていて,何が足りないのか,が分からないため,やはり,自己肯定感が高まりにくくなる。
教師が評価についてのイメージをしっかりと持っておくことが大切になる。それがなければ,指導と評価の一体化はできない。」
日本語で考えていることを,英語を使ったとたんに「表現できなくなってしまう」もどかしさに苦しんでいる彼らですから,自分ができなかったことに着目してしまいがちです。
一方,根拠がはっきりしないまま誉めたとしても,彼らの中に賞賛のことばが入っていくこともないでしょう。
4月に見せた先輩のファイナルスピーチの映像
先輩の対話テストの映像
を目指して,今回の自分たちがどうだったのか,しっかりと考えさせていきたいと思います。
2月の最終回,第3回対話テストでは,即興で話をさせます。
そのために,来月からはwarm upで即興で対話をする活動をスタートしていきます。
みんな,がんばろうね!