ねえみんな,考えようよ! 授業で何を学ぶのか

 

学び続ける力 (講談社現代新書)

学び続ける力 (講談社現代新書)

 

 

山口大学附属中学校での公開研究発表会を終えて帰宅・・・

 

「考え続ける生徒を育てる授業」

 

という研究主題は,勤務校の

 

「思考を深める授業の創造」

 

と非常に関連が強いものです。

 

 

山口の発表要項,総論の冒頭には,池上彰さんの本の一節が引用されていました。

 

帰りの浜松町でモノレールを降りると,改札の眼の前に書店があり,すぐに購入しました。

 

勤務校で昨年度末まで一緒に仕事をさせてもらった先輩(行政に異動)が,私が研究主任になることが内定し,その最初の仕事として教師対象の自由記述のアンケートに記されたこと:

 

「(思考を深めることのできる生徒が育ちにくいのは)教師の問題ではないか」

 

ということばをずっと心の中に留めてきました。

 

 

自分たちがどんな授業をしているのか,再検証するための鍵になる,と思うのです。

 

 

みんな精一杯授業をしていると思います。

 

 

でも,どんな生徒を育みたいのか,マクロな視点を持っているのか,ゴールをしっかりと見つめているのか,という自問自答をしたとき,その答えを持っている,答えられる自分であるのか・・・

 

 

「生きる力」を育む

 

「思考力・判断力・表現力等」を育む

 

ということを,自教科のねらいに落とし込んでいったときに,ちゃんと答えることができるのか・・・

 

それって本当に大切なことだと思うのです。

 

 

英授研の秋季大会で発表した授業,そうした観点から視聴してくれた人はどれくらいいるでしょう。

 

単に,英語の授業として,英語力を伸ばすために,というミクロな視点だけで見てしまうと,見えないことがさらに増えてしまうのではないか・・・と思っています。

 

ゴールとしてどんな生徒を育みたいのか・・・

 

 

「自分の考えや気持ちを,自分のことばで表現できる」

 

既存(既習)の言語材料を駆使して,もがきながらも,なんとかことばをひねり出して発信する・・・

 

そうした体験を日々させていなければ,ゴールには近づけません。

 

そして,そうしたプロセスには,

 

「しっかりと考える(思考),どんなことばを使うか,相手の存在を意識しながら選び出す(判断),そして伝えてみる(表現)・・・」

 

「伝えてみるけれど,うまく伝わらない,相手からの反応を見ながら(相手の話も聞きながら),再度挑戦する・・・」

 

ということが絡んでくるでしょう。

 

その先には,人と人とをつなぐ,ということも関わってきます。

 

 

池上さんの本を午後の陽ざしを浴びながらベランダで読んでいて,ふと本を閉じ,ブログを綴りたくなりました。

 

 

単に指導技術だけを磨けばいいのか?

 

ワークシートや板書の工夫など,ミクロなことだけを磨けばいいのか?

 

 

いやいや,絶対に違うと思うのです。

 

 

「達人」を目指す研修などが,そんなミクロなことの切り貼りに陥っていないことを祈るばかりです。

 

 

蒔田先生が自分に伝えてくださったこと・・・

 

「指導技術をただ伝えるだけの研修にはしてはいけない」

 

の重みを,池上さんの本を読みながら思い返しています。

 

 

 

山口県は本州最西端・・・でも,長州人の気概を大いに感じ,マクロな視点で学校教育や授業を見つめ続ける先生,そして,そんな先生たちのもとで伸び伸びと,そしてプライドを持って育っている子どもたちを見られた,という意味で,すばらしいところだと思います。