教育実習生からの便り 時間を置いての振り返り③

連休を終えて,担当した3人の教育実習生のうち,残った1名からもお便りが届きました。

 

しっかりと充電し,大学生活に戻って,充実した学びをしている,とのこと。本当に嬉しい知らせです。

 

実習を振り返って,素直で飾らないコメントが届きました。

 

教育実習をしたから,必ず教師に・・・でなくとも,いいと思うんです。

 

自分の適性が果たして教師として合うのか否か,

 

大学で学んでいるうちに,もっと興味のあることに出会った,

 

などなど・・・

いろいろなことが起こりうると思います。

 

 

教師の道を選ばない,ということになっても,実習で得たことは必ずプラスになると思います。

 

まっすぐなコメント,本当にありがとう。

 

 

残された時間を使って,大いに悩んでくださいね。だって,大切な人生だからね!

 

これからもよろしくね!

 

 

 

 教育実習が終了してから、もうすぐ一か月が経とうとしていますが、実習がつい昨日のことのように思えます。つらかったことや、笑えていたことなどを思い出したり、ときどき、担当していたクラスのみんなのことを考えたりします。

 

 私が教育学部に入ったのは、教師になりたいから、という思いがあったからではありませんでした。私は実は、何となく教育学部に進学し、何となく教師になるのだろうか、という思いを抱えながら、実習生として決して高いとは言えないモチベーションをもって実習に挑んでいました。そのためか、人一倍実習に対する不安や、きちんと教えることができるのかという恐怖感を抱いていました。

 

 改めて自分の授業や教生としての生活を振り返ると、一言では言い表せないほど、たくさんの出来事がありました。授業外では、生徒と積極的にかかわろうと心掛け、昼休みに遊んだり、合唱の練習を共にしたり、また生徒から相談を受けたり、とたくさんコミュニケーションをとって関係を作ることができ、充実していたと感じます。一方授業では、私が想像していなかった出来事の連続や、インタラクション、指導の難しさを感じることが多くありました。模擬授業はいくつか大学で実践していたけれども、実際に中学生を相手にすると、今まで気にしてこなかったことや予想外の反応があり、授業ってこういうことなのだ、とたくさんの気づきを得ることができました。大学でいくら理論を学んでいても、そしてやろうとしていることを意識していても、初めはなかなかうまくいかず、こんなに大変なことだとは想像もしてなかったです。しかし、先生方や仲間と共に相談したり、励ましをもらったりして、乗り越えることができたと思っています。教師という難しいけれどもやりがいのあることを実感できた今回の実習では、私にとってたくさんの学びとなりました。

 

 そして、実習は私の将来について、じっくりと考える機会でもありました。自分の将来を考えたときに、私のような中途半端な気持ちを持った者が、教師という生き方を選んでいいのだろうか、と考えてしまいました。実際に学校へ行き、教師を体験させていただいて、よく自分の目で現場を見ると、どの先生方も教育熱心で、生徒だけでなく、私たち実習生に対して、とても一生懸命に指導してらっしゃる様子がうかがえました。人のために一生懸命で、とても素晴らしく、ますます教師ってすごいな、と尊敬しました。しかし、今は生徒のために全力を尽くし、自分の時間を削ってまで教師を勤める覚悟がある、と胸を張っては言えない自分がいることに気が付いてしまいました。また、自分はまだ子どもで、勉強だけでなく、人として成長させるために教えられることが無いように思います。それでもあと半年、じっくり考えて、自分の将来を決定していかなければなりません。今回経験したことをもう一度よく思い出して、慎重に道を決めていこうと思います。T先生、毎授業のご指導や、私たちへの丁寧なアドバイス、本当にありがとうございました。