拙授業を通した学び合い 秋田のO先生からいただいたフィードバック

新潟のM先生にも見ていただいた拙授業,学びのトライアングルで,もう一人の尊敬する先輩,秋田のO 先生からも貴重なフィードバックをいただきました。

 

いつまでもしなやかに学ばれる姿,本当に頭が下がります。

 

O先生,お忙しい中,本当にありがとうございます!!!

 

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T先生の授業VTRから学ばせていただいたこと

                                                                 2015.7.12(SUN)

 

○新文法導入の進め方について

 

 場面を設定し、身近なトピックで会話をしながら、生徒が文法形式よりも内容を意識しながらすすめるというやり方は、これまで自分がやってきた考え方と全く一致しており、とても共感的に視聴させてもらいました。

 

  特に食べ物、飲み物は、生徒達の関心を引きつけますね。何と言っても最も身近な物であり、しかも種類も豊富ですから。画像や実物を使ったことも大きな効果があったと思います。

 

  接続詞thatを扱うとき、自分は夏と冬とどちらがよいと思うかというトピックで理由を表現させています。 雪国ですので、夏と冬では全く違う理由がたくさん出るからです。

 

  今回のVTRでなるほどと思ったことの1つに、I think~を使うときには、いきなりその表現ではなく、What is your favorite drink ? What do you think of it ?  の2段構えになっていたことがあります。そうすることでより自然な会話になっていたと感じました。

 

 

※ このことに,少し前に気づきました。今回のターゲットだけでなく,他の言語材料のときにも,同じように,いきなりその言語材料から話が始まることって,不自然だな,と思うようになりました。聞きたいこと,知りたいことがあるから尋ねる,わけであって,いきなりどう思いますか?とは尋ねないですよね,考えてみれば・・・

 

 

○Teacher Talkについて

 

 いつものように(?)T先生の楽しいトーク、さすがです。あまりにも見事でとても真似できません(笑)。答えを選択させたり、挙手で生徒を巻き込む方法、いいですね。とても参考になりました。自分はいつもTeacher Talkを一度すべてノートに書いています。できるだけ分かりやすい内容と順番で話したいからです。 データとして残しているので、時間がないときは過年度のものを使ったりもしています。

 でも、ずっとそれを見て話すわけではないので、結局「なんだっけ?」ということになることもしばしば。で、最近はメモだけしておいて話すようにしたり試行錯誤中。T先生のように生徒の反応を楽しみながらすすめるのはなかなか難しいです。

 

 

※私は箇条書きのように,こんな話題を・・・と考えるだけにしています。英語だけでなく,普段から職員室で日本語を使って同僚をいじったり,生徒と廊下トークをして話したりするときにも,インタラクションのように楽しむようにしています。相手が何を言ってくるか分からないことばかり聞くので,それを受けて,自然に反応することだけを心掛けています。面白そう,膨らみそう,そんな感触を得たら,今回のようにふくらませていきます。出たところ勝負ですね!

 

 

○ノートの取り方について

 

  トピックに沿った基本文→質問と答え方→3分間ライティング という流れがノートに記録されるのがいいですね。ノートはどんな頻度で集めていますか?書いたものを他の生徒にフィードバックしたりしますか?自分は今年になって、他の生徒のモデルにしたいような英文には「イイゾウ」という象の絵のハンコを押して、シールをあげることにしました。 内容重視なので、正確さよりもオリジナリティや具体性、最後の1文で選びます。したがって下位の生徒でもチャンスがあります。 添削したものを返すと「やった~!イイゾウはんこだ!」と喜んでいます。シールほしさに内容のクオリティが上がったような気がします。(笑)

 

※ノート回収はクラスごとに週1回の頻度で回収します。ハンコで,という手法は取っておらず,ばしばしミスは添削します。添削がばっちり入ることは4月に子どもたちに伝えてあります。力を伸ばすために必要だから,ということです。一方で,ハンコではなく,手書きのコメントを書いて,内容を受け取ったぞ,楽しかったぞ,というメッセージを返します。イイゾウハンコと同じくらい生徒には届いている,と思います。

 よく書けているものは増し刷りをして英語通信に添えて共有しています。先生の書いたものより,何倍もよく読んで学んでくれます。 

 

 

○ペアの活動について

 

  ほぼすべてのペアがアイコンタクトでしっかりとペア活動をしているのが本当に素晴らしい!しかも、日本語は聞こえてきませんでした。よい人間関係のクラスであることが、笑いの多さからもうかがえました。プラスαの質問をする際、ペアで相談させて発言、それに対して教師が答え、どの生徒にもできるようにしているあたり、ぜひ真似したいと思います。

 

※ペアのステップを挟む,先生を相手に質問をしてみる,ということも,ユニバーサルデザインの要素として大切かな,と思っています。

 

  

○語彙指導について  

 

 辞典を使って未習後を調べたり、その場で登場した語に関連することばを紹介したり、語彙を広げる場面が見られました。それが生徒の表現力につながっていると感じました。

 

※はい,辞書指導はかなり意識しています。今回のDVDにはありませんでしたが,基礎英語2を毎時間試聴させています。モデルにたくさん触れさせる,オーセンティックなインプットを多聴として聴かせる,のですが,その中でも辞書指導を入れることがあります。インタラクションの中に敢えて1つ,未習語を出す,のはよくやるパターンです。

 

 

<全体を通しての意見と質問>

 

◆自分がこのような形で、内容重視(コミュニケーション重視)の新文法導入にしてから悩んだことは、しくみをどこでどのように指導するかということと、様々な形(バリエーション)をこの時間に紹介できないということでした。自分は新出文法を取り扱った日には必ず、ワークで宿題を出していますが、そのためには上記のようなことも1時間の中に入れる必要性が出てきます。例えば、今回のthatはこれまでのthatと違って接続詞であるということ、省略可能なこと、1文に動詞が2つ登場することなどなど・・・どこでどのように指導していますか。

  また、I hope that.... I know that......などのバリエーションはどうしていますか?

 

 ※この1時間の後に,教科書の内容理解の授業が来ます。教科書のプログラムの1セクションに,2時間をかけるのです。

1時間目は新出言語材料に触れる時間です。体で体感し,推測し,使いながら慣れる,という時間です。途中で教師とともに理解確認をする時間がありますが,あくまでも生徒の中にある気づきを引き出す時間です。

2時間目には教科書の内容理解を行いますが,本文中に入っている新出言語材料を含んだ文について彼らに意味を考えさせます。その際,1時間目に体感していることが残っているので,多くの生徒が意味を推測できます。その後,教師が明示的に解説を加え,文法用語も使って頭の整理をさせ,ノートにまとめさせます。

初回の授業で,言語材料に出会い,使ってみて,のところで,明示的な説明をガンっと入れてしまうのは,私の中ではタイミングが早い,と思っています。これまでのthatとは違う,などは,そのノートまとめのときか,もしくは単元末の文法のまとめのところで行います。正確性は後からついてくる,という発想です。

バリエーションについては,単元末のところでよいのではないでしょうか。いかがですか?

 

 

◆コミュニケーション重視の進め方で新文法導入をするとき、うっかりすると生徒は目標とする基本文を使用しないでしまうことがあります。ライティング前の女子のペアトークでは確実にI thinkが使われていましたが、その前の男子の会話では使ってなかったような・・・(使っていたらすみません)3分間ライティングではどうでしたか?

 VTRでは使っていない生徒がいたようでしたが、途中だったのでその後、使っていたのかな?  その点、何か工夫していることはありますか?

 

※今回の授業は,初めてI think,に触れる授業です。ご覧いただいたように,たくさんたくさん触れましたね。どうでしょうか? 自然な対話の中では,対話の継続が一番の目標です。相手と情報の授受が成立し,相手の意図を理解し,自分の考えを伝えることが主眼です。形式優先ではありません。これまで学んだ言語材料や語彙を駆使し(活用し),対話を継続できたらそれですばらしいと思うのです。

初めて出会ったI thinkをすぐに活用できなくても,仕方がないのではないでしょうか。この先,何度もI thinkを使っていって,その先に自然に使えるときがくればよいのではないでしょうか。

きっと,ペーパーテストでなら,落ち着いて書ける,解けると思うのです。でも,即興の場面で自由に使いこなすには,初出の時間に,というハードルは高くはありませんか?もしできても,それこそ弾丸インプットのように,縛りがきつい状況を作ってあげて,にならないでしょうか。

 

 

 ありがとうございましたー!!!! 深謝!!!