For learners to notice their own learning situation by themselves
何のために?
対話テストを受ける子どもたちが,テストを通して何を感じ,何に気づき,何を学ぶのか。そして,次の学習にどうつなげていくのか。
ともすると,教師が生徒の評価をするためだけにパフォーマンステストが行われてしまうときもあるのかもしれません。
それも半分。でも,残りの半分は,テストに臨んだ生徒一人一人が,自分の学習状況に気づくこと,そして,よかったことは更に伸ばし,改善が必要なことが何かに気づき,次の時間からそれを克服しようと,何か小さな一歩を踏み出せるようにすること,そこにこそ意味があるのだと思います。
板書は,ちょっと理屈っぽいかもしれませんが,テストに臨む前に書いて,生徒に示したガイダンスです。
こちらの願いが伝わっているといいなあ・・・
(でもでも,まあ教師の願いがそのまま生徒に理解されることって,本当にまれですよねー(苦笑))
対話テストは1分間ですが,終わった直後によかったことをQuick feedbackしていきます。そして,1つだけ改善点を伝えます。
うまくいかずに落ち込んだ表情を見せる子や,思ったように力を発揮できずに悔しそうな表情をする子には,安心して次の一歩を踏み出すようにほっこりする言葉をかけます。
ビデオを廻しながら,たくさんのことに気づくことができます。
・リアクションをしよう,しようとこちらは言っていても,対話は二人の協同作業。間合いがうまく共有されないと聞き手がいつリアクションを行うかは実はすごく難しいことだ
・日本語でふつうに対話しているとき,リアクションは相手の発話が終わる前にかぶって起こることが多いかもしれない。相手の発話を全部聞き終わってからリアクションするのは,そもそもタイミングを取るのを難しくしているかもしれない
・やはり聞き手の追加発問は大切で,ここがテンポよく行われると,対話は活性化する
・話題に詰まったら,その話題にこだわりすぎず,関連する話題にシフトしていくと対話はbreak downしない
・話し手が困ってしまったら,聞き手が助け船を出すことも大切である
Ex) For example?
こうしたことに気づくと,ついついこの美味しい部分を生徒自身に気づかせる前に,嬉しくなってこちらが教えてしまいそうになります。
でも,全クラスが終わった後で,各クラスの対話の中からベスト作品を選び,鑑賞します。
友人の対話を聞いて,自分たちでさまざまなことに気づく機会を,そして,頭の半分にある,自分自身の対話の記憶とつなげて考えさせ,自分が次にどうすればうまく対話ができるのか,を考える機会を設定します。
話し合いやシェアリングの後,個に戻って振り返りを記述させます。
そこに,上に書いているようなポイントが出てくるといいなあ・・・,いやいや,生徒がそれ以上のポイントを出してくるといいなあ・・・と楽しみにしながら・・・
お世話になっている専修大学の神白先生は,メールでこんなふうに伝えてくださいました。
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多くの教員は教育というものを「答えを提示する」ということだと思っていますが、教育というものは「学習者に考えさせ、理解させ、自分で考えられるようにする」という作業だと思います。
「沢山の知識を覚えて、いつでも取り出す」という作業は、コンピューターにもう人間は敵いません。
人間は、それらの知識でもって、自分で考える、ということをしなければならないのだと思います。
もちろん、思考にはある程度の知識の幅が不可欠ではあることは確か、ですが。
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そんなことに少しでもつながるような授業を創っていきたいです。