文教大学 阿野ゼミの学生さんから
Fくんからのメッセージ
阿野先生から英授研の月例会でお声掛けをいただいて,文教の学生さんに90分のお話をさせてもらう機会を得たのは,早いもので昨年の11月でした。
あれから早いものでもう1年近く経つのですね・・・。早いなあ・・・。
その後も,阿野ゼミの学生さんとの交流が続き,facebookや,英授研を通してディスカッションをしてきました。
現場に戻って,復帰後初めての公開研で撮影した授業のDVDを送っていましたが,今回,ゼミの時間が確保できて,視聴・ディスカッションをしてくれたようです。
終了後,学生の一人,Fくんからメッセージが届きました。
まだ教育実習前の学生さんです。
さすが阿野ゼミです。
現場にたくさん脚を運び,英授研等の研修会で現場の先生と触れ合い,授業についてたくさん考察して学生生活を送っているから気づけるのでしょう。あっぱれ,です。
教員養成系の大学で,ぜひその手法を参考にしてくれないかな・・・。
鋭い指摘なので,キャッチボールの様子を紹介してみます。
T先生
先生の授業、今日のゼミで見ましたよ! 遅くなってごめんさい。
では感想を述べて行きたいと思います!
ウォームアップのreproductionはとても参考になりました! ちゃんとリスニングポイントを提示することで、生徒もどこを聞けばいいのかも分かるし、去年のテキストを使うことで内容も理解しているので、 reproductionもしやすかったのだと思います!
I think~の導入で、きゃりーぱみゅぱみゅを使うのは とても面白いと思いました。 質問がWhat do you think about J-pop?だとちょっと大きすぎて、 生徒が答えにくいかなあ?と思いました。 例えば、きゃりーぱみゅぱみゅの音楽や、ファッションについてどう思う?とかの質問の方が答えやすかったのではないでしょうか?
Who's your favorite singer?って質問をして先生は生徒とインタラクションを取っていました。ミスチルが好きって子に先生は、do you like sakurai?って質問して、no, i don't って生徒が返して来たときにoh!だけで終わってしまったのは勿体ない気がしました。たぶん他の生徒たちも「え、さいらいが嫌いなのにミスチル好きなの?」みたいに驚いていたと思います。 そこで、ほかのメンバーが好きなの?とかいろんな質問ができたかなあと思いました。
ペアがどう思う?っていうアクティビティはthinksっていう三人称も使えるし、ちゃんとペアの話を聞くっていう面からして大切だなと思いました。 テキストで否定形が出てたので否定形のインプットとして、先生が I think I'm young? Do you think so? 質問して、たぶん生徒たちはNo!って答えるはずですので、Oh, you don't think I'm young.っていうインプットもできると思います。若いネタはいろんな先生使っています。笑
先生の教科書の内容理解の場面でインタラクションも参考になりました! 24時間テレビの話題でのインタラクションも生徒にとっては身近でいいと思いました! 司会の嵐について質問してみたりするともっと盛り上がったかもしれませんね。100kmも走れる?とか。
ペアで先生のリスニングポイントの答えの確認をした後にもう一回聞いてもいいのではないかと思いました!
先生は優しいので結構なんでも話しちゃって、生徒の話す時間があまりなく、最後の音読に声が出てない感じに見えました。
昨日、N先生(横浜)の授業を見てたのですが、T先生と同様とてもインタラクションを大切にしている先生で、N先生はHow are you?の質問から生徒からfine, good,hungry,sleepyっていろんな答えがかえってくるとこを使って、who's hungry? who's sleepy?って聞いて、what did you eat for lunch?とかwhat time did you go to bed/get up?などの質問をしながらインタラクションをとっていました。
先生の授業を見ていろんなところを参考に自分のコアになる何かを探していきたいと思います! また授業のDVD送ってくださいね\(^o^)/
がんばってください!
F
F
コメントありがとう。みんなの貴重な時間をもらったんだね。 ゼミのみなさんにくれぐれもよろしく伝えてくださいね。 これから指摘のあった部分についてコメントするので,よかったらゼミのメンバーに伝えてください。 できれば,少しキャッチボールしませんか?
①リプロダクションについて
工夫ポイントが伝わったようでよかったです。 中学生を指導する際の参考になるかなと思っています。
一方,現任校の生徒たちにとっては,challemgingではないようで,1学期の後の授業評価では,あまり評判が芳しくなかったです。もっと知的好奇心を刺激するものがよいようです。
やはり,目の前にしている子どもたちの実態をよく見ながら活動を決定していく必要がありますね。
②I think~について
確かに,ポイントを絞ると,面白いかもしれませんね。
好きか,好きではないか,その理由は,など,賛否がはっきりすると思います。
一方,意見の多様性はどうか,と思います。どうですか?
Jポップなら,どんな歌手が好きか,どんな曲が好きか,と,その子の特性が現れ,ペアで対話をするときに,相手のことについての新情報が得られたり,相互理解にもつながると思っています。
実際に授業をしていて,机間指導をしていたときには,話しにくさ感はなかったように思います。
相手の好きな歌手なんて,特に男女では,日本語ではあまり話さなかったりしますね。 相手のことが分かるから,コミュニケーションが楽しい,と思えるのだと考えています。 どうですか?
③インタラクションについて
これはねー,やってみると難しいですよー。 本当に。 何度やっても,拾いきれたことはありません。
火曜日に終わった教育実習でも,実習生がインタラクションに苦戦しまくっていましたよ。
指摘,その通りですね。 まだまだがんばらないとね。
ただ,日本語でチャットをしているような感覚で子どもたちと一体感を持って授業を進められたことは,自分の中で本当に嬉しかったことでした。
④先生が話しすぎてしまうこと
これは自分にとってずっと課題になっていることです。 さすが阿野先生のもとで学び,たくさんの授業を視聴・参観しているだけあって,鋭いですね。
これでも以前に比べると,話す量は減ったと思うけど,それでもまだまだなんだよね・・・。
一方で,いったいどうなのかな,と考えていることがあります。
中学生=初学者,と考えて,対話を継続させるためのモデルを,教師が示す必要がある,
言い換えれば,教師が生徒の発話をどう受け止め,追加の発問をするなど,対話の継続のための具体的な方策をインタラクションの中で示すことが大切だと思うんです。
そういう意味では,ある意味今回のようなバランスでもよいのかな,とも思います。
インプット-インタラクション,が,言語習得のために必要だ,ということもありますね。
生徒の活動量,対話量を増やせばよい,という単純なことではないと思っています。
このあたりのバランスをどう考えるか,意見交換したいですね!
忙しい中,貴重な時間を割いてくれてありがとう。 またDVD,送るね!
よかったら,意見交換してね!
T
(この後もやりとりがたくさん続きました・・・)