北海道・大塚謙二先生からのアドバイス 

2月25日に千葉大学の長期研修生,院生の3名のみなさんに来校いただき,授業参観とディスカッションを行ったのですが,そのときに撮影した授業のDVDを他の先生にもご覧いただき,アドバイスをいただく機会に恵まれました。

 

先日,岐阜のU先生との学び合いの様子を紹介しました。その後も,U先生とfacebookメッセンジャーを通してさらにディスカッションを続けて,学び合いが続いています。

 

今日は,北海道の大塚謙二先生からの視聴後のコメントが届きました。

 

大塚謙二先生からは,オープンに,名前も出して大丈夫だよ,との温かな言葉もいただきました。

 

大塚先生のたくさんのご著書の中から近刊を紹介させていただきます。

 

私もすべてを読んではいませんが,いくつかにお世話になっています。

 

感動する英語授業!教師のためのICT簡単面白活用術55 (目指せ!英語授業の達人)

感動する英語授業!教師のためのICT簡単面白活用術55 (目指せ!英語授業の達人)

 

  

英語教師力をアップする100の習慣 (目指せ! 英語授業の達人)

英語教師力をアップする100の習慣 (目指せ! 英語授業の達人)

 

  

 

 

大塚先生は,メッセンジャーでのやりとりの中で:

 

今回の学び合いが,ブログなどを通してさらに広がることにも意味がある,とおっしゃっておられました。

 

懐の広さ,人柄の暖かさがこうしたところにもにじみ出ていますね。

 

大塚先生ともまだ直接お会いしたことがない!のですが,こうして学び合いの輪が広がり,本当に自分は幸せだと思います。

 

大塚先生,この場を借りて御礼申し上げます。

 

 

私が驚いたのは,初見で,私自身が課題として感じていることをずばっと射ぬかれたことでした。

 

洞察の深さに感服させられました。

 

授業を行う力とともに,授業を見る力,そこから学ぶ力も磨いていきたいです。

 

まさに,授業改善への道ですね。

 

 

では,大塚先生からのフィードバックを紹介させていただきます。

 

 

T先生

 

まず、先生が書かれたお手紙を読んで、頷きながら、そうそうと思いながら読み進めました。プリントで型にはめた会話活動よりも意味のやりとりを重視した会話を通して流暢さを高める点、そして、教師が模範を見せることの大切さ、まさにそのとおりだと思います。私も多くの点でT先生と同じ考えを持っています。漢方薬のような作用という表現は、素晴らしい形容の仕方ですね。是非、使わせて下さい。

 

授業のビデオを見ていても、先生のポリシーを感じ取ることができました。要所要所に教師が修正フィードバックを返したり、同じ内容の会話活動をペアを替えて行ったり、報告活動をしたり、それを全体の場で引き出すなど、まさにFocus on Form の手法が存分に取 り入れられていました。例えば、生徒の話したいことをピックアップし「徘徊する」という表現を噛み砕く方略を教えることはメタ的に発話を分析する力をつけることにつなが る、必須のことです。それも忘れずに指導するあたりはさすがでした。また、1stパートナー 2ndパートナーもとても良い方法ですね。生徒たちも活発に発話していました。

 

また、ほとんど英語で授業をすすめて、インプットを増やし、全体で、個人を指名して、その他の聴衆者に聞かせる手法が取られていました。私の修士論文のテーマもインターラクションにおける修正フィードバックの知覚だったので、とても理にかなった良い授業だと思いました。

 

そして、私が一番見たいのは、教師と生徒との関係です。心の距離のとり方もとっても理想出来で、良好な関係が見て取れました。なんといっても、生徒も先生もハツラツとしているのがとっても良かったです。ICTも効果的に取り入れており、生徒たちもひきつけられていました。

 

 

より良くするための改善できるポイントとしては

 

①先生が話し始めたら、全員が静かになってすぐに聞ける状態になることを徹底することです。先生が、手を叩いて聞かせるのではなくて、誰かが全体の場で話し始めたらすぐに聞けることは、授業にキビキビ感を出す、スパイスになります。これだけ、反応の良い生徒たちですからきっと、すぐに出来ると思います。そうなると、先生とある生徒とのインターラクションやそれを通しての修正フィードバックもauditorとしての生徒たちは、もっと効果的にインプットするようになるでしょう。

 

②先生は、ある生徒を指名してから、発問する場合が多かったのですが、発問はまず、全員にして、全員が答えるためのリハーサルを心でさせてから指名すると、より多くの生徒たちが、英語を考えて発言する準備をするようになるので、効果が高まると思います。

 

③チャットが多かったのですが、ここまで育ってきたならば、チャットから1分間~2分間のimpromptu speechへつなげてあげるとさらに伸びるでしょう。チャットはお互いに助けあって継続されますが、スピーチとなるとまたもう一段階高い活動になります。1時間をかけてこれだけの発話をさせるのであれば、取り入れることができますし、事後活動のライティングにつなげやすくなり、理論的なまとまった英文にするためのリハーサル効果が期待できます。

 

④また、自主性を高めるために、指名して発表だけではなく、自ら手をあげて発表させる場面を設定するといいと思います。彼達ならできるでしょう。社会に出ていく上で、堂々と振る舞えるようにするためにも、まず、Anyone? と投げかけていくと良いと思います。

 

先生のようにパワーがあって、若い先生が、努力を惜しまず、それぞれの地域で頑張っている様子を見ることができて、私自身のエネルギーにもなりました。ありがとうございました。これからもがんばってください。

 

 

ありがとうございます!!