小中連携を意識した中学校英語の改善
積ん読の1冊を読み終えました。
小中連携を意識した・・・というタイトルからは,それを強く意識した構成かと読み始める前にイメージをしていましたが,よくよくタイトルを読むと,自分が浅はかだったことが分かりました。
そうです。
小学校ではこんなことをやってきている,だからこそ,中学校の英語授業はこう変わるべきでしょう
と,中学校に軸足を置いて書かれたものです。
渡邉時夫先生を筆頭に4名の先生が著者として名前を連ねておられます。
渡邉先生と言えば,
英語が使える日本人の育成―MERRIER Approachのすすめ
- 作者: 渡辺時夫,酒井英樹,浦野研,塩川春彦
- 出版社/メーカー: 三省堂
- 発売日: 2003/05/30
- メディア: 単行本
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この本で出会い,SLA的な視点から,生徒たちにできる限りたくさんの,理解可能なinputを与えることの大切さを教えていただきました。
今回も,現場の先生の実態調査(長野県)や,小学校外国語活動の実態などを加えつつも,前著同様,理解可能なinputをいかに与えていくか,MERRIER Approachの視点から解説をされています。
しかし,今回は,4技能それぞれについて,どのような授業改善の方法があるか,具体例を豊富に挙げて示していたり,文法指導や,文化に関しての指導などについても,具体的事例をもとに紹介していたり,後半部分に特徴があると感じました。
著者の方が三省堂のNew Crownの著者をされていることもあり,クラウンの実例を挙げているため,現在,クラウンを使っている先生方にとっては,よりイメージが湧くと思います。
一方,一部,現場の先生方の実態や,思いや願いを十分受け止めているのだろうか,という気持ちになってしまう部分もありました。
書かれている方も,現場経験のある方なのですが,当時と,現在では,先生方の勤務環境が大きく変わっていること(教科指導以外に,どれだけ多忙化していることか・・・)があります。
もちろん,教科指導に燃えなければならないという意味では,変わりはありませんが,やりたくてもできない・・・という環境の中で,これならできる!,という実感を持ってもらいながら,持続可能な授業改善の小さな一歩を示すことも大切なのではないか・・・
書きぶりから,そんなことを感じてしまいました。
文章の書き方,ものの伝え方って難しいですね・・・
北海道では,来週から2学期に入るそうです。
こちらはあと2週間・・・
できることをしっかりと!
次!!