ファイナルスピーチ発表を通した学び 新潟の高校教師 M先生との交流②

二通目として送られてきたM先生からのメールに返した返信です。

 

後半部分,みなさんとシェアしたいと思います。

 

 

M 先生

  

本当に深い,深いメールをありがとうございます。

M先生とつながれて,本当に幸せだなあ・・・とそう今回も思わされました。

自分が気付かないところにまで気付いてくださって,本当にありがたいです。

  

私はDVDを視聴しながら、

 

「T先生の明るい笑い声が聞こえるけれども、

気持ち的には、心の中で泣き崩れておられるのだろう」と感じました。

 

それは、この生徒さんたちと2年間を過ごし、

ずっと傍らで見守ってきた人にしかわからない「変化」に、

言いようのない感動を覚えておられると推察するからです。

 

不思議ですね。

  

そうなんです。まさにその通りで,じーんとずっと心が震えていました。

感動,というのでしょうか。

個人個人がそれぞれに輝いているように見えました。

特に,slow learnerたちや,シャイな子たちのがんばりがまぶしかったのです。

 

ただ,本音を言えば,ほんの数名,less than a fewですが,

もっとできるはずだよ,

言葉が上滑りしているよ,

という生徒もいました。

 

でも,自分が全ての生徒を掌握し,こっちを向け,

なんてできませんから,

これはこれで仕方がない,

もしかしたら,他の教科,他の場面で輝いてくれているはず,

それでいいのだ,と思います。

 

今回は,アイデアマップのところから,清書までの流れが分かるように,

生徒のワークシートをすべて回収しました。

 

本書きのみ,彼らの思い出に返却し,それはコピーとして私の手元に残しました。

 

最後の時間には,私に向けてメッセージを書いてもらいました。

 

泣きました。

 

すごくたくさん書いてくれました。

 

和歌が好きで,国文学を学びたい生徒が,

英語の魅力も感じることができた,

将来は和歌の魅力を世界に発信したいので,

英語を並行して学びたい,

 

と書いてくれました。

 

 

もちろん,4分の1くらいの生徒は,

短いメッセージでしたが(苦笑)。

 

  

割と早口でどんどんしゃべってい る生徒さんに、はじめは、

「もっと間をとってみるとよりよいかも」などと感じるものの、

聞いていると、そんなことどうでもいい、

一生懸命、自己を開示して語ってくれる姿を見ていると、

物理的に音がどうとか、間合いがどうとかは、関係なくなり、

じーんときます。

  

むしろ、話し方そのものも、個性のようにも思います。

 

 

私は,今回で学びが終わりではない,と思うようにしました。

今回は最後の機会なので,指導の手を細かに入れないようにしました。

 

自分が学んできたことを思い切りだしたら,

どこまでできるか,

自分の現在地点を知ろう,とだけ言ったのです。

 

確かに,ああ,もう少しゆっくり話せばいいのに・・・

と思われるものもありました。

 

でも,高校以降の学びで,それに気付いてくれよ,

と思って終わりでした。

 

個々の学びのペースが違うのですから。

 

ただ,自分以外の39通りのスピーチを聞くことで,

きっと気付いてくれたのではないか,と思っています。

 

 

そんな気持ちで聞いていましたので、

黒板に書かれた、Let's make a perfect speech!のperfectの意味ってなんだろう、

なんて考えさせられました。

 

これで、中学生活を終わるんだ、

この話をして中学生活を締めくくるんだ、

だから、「最上のでき」という意味のperfectではなく、

perfect tenseのperfect、つまり、

「私は、ここまで、このように生きてきました!」という

高らかなフィナーレのように思いました。

 

 

書きたい生徒は黒板をデコレーションしてね,と言って

生徒たちが書いたものです。

 

おしゃれな飾り付けは女子たちが。

 

でも,Let's make a perfect speech!と3時間の発表の際,

すべてに書いたのは,ある男子でした。

 

そのときは何も考えませんでしたが,

M先生に言われてみて気付きました。

 

彼はうちの学校でも本当に英語ができる生徒です。

  

きっと,何か思いがあったに違いない!と思います。

それが何だったのか,聞いてみたかったです。

 

 

自由度の高さが抜きん出ていると思います。

 

自分らしさを思う存分発揮する空間、

そこで、「自分のこだわりって何だろう」と再確認するチャンスを得ているのだな、と思いました。

 

  

今回も,3つのトピックを提示し,4つめは自由,としました。

 

1 中学校生活を振り返って

2 卒業後の抱負

3 ○○さんへの感謝のメッセージ

4 自由

 

ただし,1・2については要注意,ということだけは伝えました。

 

みんなが経験している学校行事は一緒で,

ともすると,誰が書いても同じようになってしまうからです。

 

そこだけは,自分だから知っているエピソードなどを入れて

オリジナル性を高めよう,

と伝えました。

 

それでも,何名かは,話し手が変わっても・・・のような例もありましたが,

これはこれで仕方がない,と思います。

 

まだまだこれからの経験でよくなっていきます。

 

さらに,英文の量や,文法エラーなどはないわけなので,

十分評価に値します。

 

 

 

 

前に、生徒さんみんなが笑顔、と書きましたが、

笑顔という言葉は薄っぺらいな、と思いました。

 

自信を持っているからこそ落ち着いていられる、やわらかい表情、と言ったほうがよいと思います。

 

その自信は、練習をそのまま再現できる、という確信ではなく て、

練習を踏まえて、今日は、ちゃんとaudienceと心を通わせながら、

つっかえようと、何かを忘れてしまおうと、立て直す自信がある、

という気持ちではないかと思います。

みんなも助けてくれることを、知っているからだと思います。

 

そう思うと、そういう信頼関係が成り立っているクラスを作ってこられた先生方、全員が

素晴らしいお仕事をされていると思いました。

 

  

ここは,聞き手指導をずっと行ってきたこと,

話し手には対人意識を持つように,と伝え続けてきたこと,

 

最後に,ここが大切だと思うのですが,

 

話し手としての自分,聞き手としての自分,教師としての自分が

まずそうでなければ,と思って意識を強くしてきたことです。

 

間違ってなかった・・・そう思います。

 

これも,自分が学生経験をしたから気付けたことだと思います。

 

  

スピーチ終了後、どんな表情をしているのかが、実は、みどころの1つです。

 

みなさん、「やりきったもん。中学の英語、頑張ったもん。出し切ったもん。」

そんな顔をしていると思いました。

 

 

さて 、秘訣はいくつかあるのかな、と思います。

T先生ご自身が意図していないこともあると思います。

 

T先生風の語りを真似ているんだな、と思う生徒さんがいますね。

 

よくとらえていますね。

 

元気な声で語りかける。

全員とinteractionをしようとする。

生徒さんが、授業でここちよかったことを、再現したかったのですね。

たとえが変ですが、ままごとをするときの気持ちに似ているんだと思います。

楽しいのです。うれしいのです。あこがれなのです。しあわせなのです。

 

先生の授業の最後の活動の中に、

これまでの歩みがよく映っていることが、本当にすごいな、と思いました。

 

いやいや,そうかなあ・・・

照れくさいようで,素直にはいと言っていいかどうか・・・

 

でも,ありがとうございます!!

 

 

M先生のクラスも,出会ったばかりのときの少々不安でいる様子から,

 

今回のビデオでの柔らかいムードへと変化しているのは,

 

M先生の立ち居振る舞いの影響が少なくないと思います!

 

 

新たな一年の始まり(そして、私には、最後の一年です)を控えて、

よい勉強をさせていただきました。

 

 

一人、私に教訓を与えてくれた生徒さんがいます。

 

audienceと目をつなごうとしないと、

audienceは下を向いてしまう、ということを再確認しました。

たった一人でしたけで、

私には、ドッキリでした。

 

T先生にはばればれだと思いますが、

私は、ちょっと逃避する時間があって、目を合わせていないことがあります。

生来恥ずかしがりやなので、克服できていないのですね(笑)。

注意していこうと思いました。

 

 

分かる気がしますねー!!!(笑)

 

 

年度末は、卒業生の大学生には、悠々の春休みということで、

何人もの卒業生が顔を出してくれています。

 

昨日は、一人の卒業生が、

「先生、現任校のあとは、私立の学校へ行って教え続ければいいじゃないですか」

と言ってくれました。

とってもうれしく、日記に書いておきました。(笑)

 

教員魂、というものを大事にして、

これからも頑張っていこう、と思いました。

 

これからもよろしくお願い致します。

 

 

本当にすてきなお話ですね。

 

M先生だからこそ,素直に聞けます。

すーっと入ってきます!

 

 

 

みなさん,どうですか?

 

深い学びでしょう!

 

授業を開く,大事ですね。

 

学びを共有できる仲間,いいですねー!!!