教育実習生からのメール③

②で紹介したYくん(もう一人の)からのメールが届きました。

 

前回の投稿で自分が出勤・退勤の札を裏返し忘れたことを知ったらしく,懺悔のコメントから始まるメールでした(爆)。

Yくん,ドンマイですよ!

 

指導教官Tも,そんなことを日々やっています(苦笑)。

 

イデア豊かに,そして,子どもたちの心をくすぐるトピック選びを常に意識しながら授業を展開したYくん。

 

指導教官からのコメントだけでなく,実際の体験から自分なりの気付きも得ていたようですね。

 

彼の振り返りはどんなものでしょうか。

 

では,紹介してみます。

 

 

 実習を終えた今、「実習どうだった?」という質問を友人や親からよくされます。実際に授業準備に没頭しているときには、その授業のことばかりでどんなことを学んでいたか、どんなことに気づけているのかを客観的には分かっていませんでした。終えた今だからこそ、自己を振り返ることができています。現在は、多くの学びや気づきがあったことが嬉しく、相手がもういいよと言うまで語り散らしている次第です。


 さて、私の指導教諭にあたるT先生は「どうして質問するんだろうね。」と、ある日の振り返りで仰っていました。続けて、「分からないから、知りたいから質問するんだよね。」と仰いました。授業を考えるとき、その言葉が常に頭の中に流れます。対話は一方が延々と話すことでは成り立たず、もう一方の反応やコメントは不可欠です。その際に、分からなくて知りたいことがあるから質問し、答えることでお互いを理解し合い、新しい気づきが生まれます。「へぇ~」に代表される新しい気づきが、人の心を動かします。授業中に何度も生徒に質問し、生徒同士で質問させ合う中、授業中に新しい気づきが生徒の中で生まれるかを強く意識した授業設計がとても大事だということが学べました。


 一方で、みんなが知っている事柄をあえて聞くからこそ、効果をもたらすことがあるということも学べました。例えば、生徒たちが食いつきそうな流行りのTVタレントを導入などに取り入れ、既知のことをあえて聞くことで、好奇心を持った生徒たちみんなが答えるような一体感が生まれます。生徒が既に知っていれば、質問に対して答えられるという側面で、インプットを行う際のインタラクションも比較的スムーズに進むように感じます。


 以上のことを踏まえ、なぜその質問をする・させるのかという意図を状況に応じて使い分けることが、生徒の心を動かすのだな、と実際にやってみることで体感できました。まずはやってみろ!と背中を押し、その時の成果や課題点に応じて段階を踏んだフィードバックを与えてくださったT先生にはとても感謝しています。生徒たちに餌を与えない(自分で調べたり、考えたりさせる)ように、私たちにも同じように指導して頂き、人を育てることについても勉強になりました。

 

 またたくさん褒めてください。3週間ありがとうございました。