本当の意味で持続可能な取り組みとなるために

先月中頃に行われた勤務校教員のOB会「同人会」の折,80歳になる教科の大先輩から,今もなお英語教育の情報収集に努めていることや,現在どのような授業が行われているか,ぜひ授業参観をさせてほしい,という希望があることを伺いました。

 

その後,本校の管理職に正式な依頼があり,日程調整の上で,今日が授業参観の日になりました。

 

1・2・3学年担当者が,それぞれ1時間ずつ授業を公開し,その後ランチを挟んでディスカッションを行いました。

 

自分は担当学年である2学年の授業を1時間公開しただけなのですが,大先輩が参観されると言うことで,前日からいつもとは違った緊張感を味わっていました。

 

今日は,新出言語材料である動名詞を,enjoy ~ingや,like ~ingと絡めて導入する初出の授業でした。

 

洋楽を歌い,基礎英語を1レッスン行った後で,楽天が優勝したプロ野球の日本シリーズを題材に,生徒たちとのインタラクションから授業が始まりました。

 

Did you enjoy your weekend?

What did you do?

I watched the TV program two days ago.

I got very excited when I watched it.

I really enjoyed watching the program.

Can you guess?

What did I watch?

 

生徒もよく反応し,I enjoyed... / I like... を交えつつ,ジャイアンツとイーグルス,どちらのファンか,などなど,英語を使ったインタラクションが続きました。

 

その後,今日はデジカメで撮影した写真を使って,スクリーンに自分の姿を投影しました。

 

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What did you enjoy doing during the weekend?

 

I enjoyed fishing yesterday.

I like fishing very much, because it's relaxing.

I can enjoy beautiful nature.

 

I took this picture in Nikko.

I got two kajikas.

 

その後,How about you?と生徒を巻き込んでインタラクションを行い,ペアでの対話のキーになる疑問文と答えを練習して,対話活動に入っていきました。

 

いつもの通りの展開なのですが,今日は一手間,写真があったことで,生徒の参加意欲や,題材への関心が一気に高まっていることが手に取るように分かりました。

 

ここのところの激務で,たった1枚の写真がなかなか準備できずにいたので,反省をさせられました。

 

2月に訪問した姫路,稲岡先生の授業では,身近なところで撮影した写真が自然に使われていました。

 

その一手間を,ちゃんと続けていることのすごさだなあ・・・と,あれから8ヶ月たった今,その意味をかみしめました。

 

大先輩が来る,ということをきっかけに,いつもの授業ではあるけれども,一手間10分をかけただけで,生徒の関心が高まる・・・

 

その10分を惜しまずに,持続可能な取り組みとしていかなければ・・・

 

教育実習生に毎日言い聞かせていたことを,もう一度自分に言い聞かせようと思います。

 

 

昨日も,facebookである先生と,なぜそんなにがんばれるのか,時間をどうやって捻出されているのかなどをやりとりしながら教えていただきました。

 

その先生のがんばりの裏側を教えていただいて感心しつつ,自分ではできないかもしれない・・・と感じたときに,ああ,How small I am!と思わずには居られませんでした。

 

自分はsuperではない,ではないからこそ,10分を惜しまず,持続的な取り組みを行って,生徒のモチベーションを上げつつ,コミュニケーションが成り立つような素地を作っていかなければ,と思います。

 

 

そうそう・・・

 

 

大先輩からいただいたコメントは・・・

 

40年前との大きな違いは,教師と生徒とのかかわり,つながりだ,そうです。

当時はlecture styleにならざるを得ない物理的な状況もあり,先生が英語を模範的に使って聞かせることや,音読をリードすることはあっても,生徒はしっかりと聞く,というスタイルでいたそうです。

 

生徒は本当によく話を聞いていたそうですが,今日の授業では,生徒と教師とがあたたかくつながり,英語を自然に使ってインタラクションをしている姿が見られたことや,生徒同士が物おじせずに,どんどんと英語を使って対話をしているところに強いインパクトを感じた,とのことでした。

 

3人の授業の流れに一貫性があり,教科として進んでいく方向性に間違いはない!と言っていただきました。

 

恐縮しきり・・・

 

しかし,仲間とともに認めていただいたこと,本当に嬉しかったです。

 

U先輩,本当にありがとうございました。