Kさんは,立派なpractitionerだ!
授業の映像をお互いに視聴し合い,気づきを交流し合う,遠距離にいてもできる相互研修・・・
研修会や研究会で出会った全国各地の先生方と行っています。
自分と授業観が共有できているなあ・・・と思える仲間とのこうした学び合いは,本当に心地よく,素直によさを認められるものです。
どんな授業からも学びのエッセンスは得られると思いますが,めざす方向性が共有できる人とのそれは,本当に格別なのです。
長野のKさん,Kさんの授業力,そして授業の構成力は本当にすばらしいです。
指導案の展開だけでなく,単元構想そのものの緻密さ,そして,発想のflexibleさがまたまた素敵なのです・・・。
私が気づいたことを視聴後メールをしたら,すぐに反応がありました。
このあたりの迅速さも嬉しいのです。
Kさんとのメールのやりとりの一部を以下に紹介します。
Kさんの反応を読むだけでも,本当に勉強になると思います。
赤字が私からの指摘やコメントです。
青字がKさんの反応です。
Kさんのコメントから,一緒に学びませんか?
**********
** 冒頭 略 **
4 単元の指導計画が緻密です。
・過去の教科書を上手に活用し,(実際は初出になってしまいますが),下学年のテキストを繰り返し使う機会を創出しています。
過去の教科書(前の学年のもの)を使うことは、T先生の授業や夏に来ていただいた時の講演を参考にさせていただきました。
・教科書テキスト以外の素材を巧みに関連付けています。
→ 洋楽,洋画のトレイラーを活用=新たなインプットに
視聴覚機器(特にビデオ)を授業で活用することをよくやるのですが、こればかりをやってしまうと生徒と教師との距離感がなんかずれてしまうような気がします。
最近、研修でICTについての講演などを聞きましたが、講演をする方が機器を使うことに酔っていて(機器を使うことに話の焦点がいってしまい)、聴衆とずれてしまっていたり、距離感がどんどん離れてしまっていくのを何回か見ました。
その点、トレイラーは、約一分なので、生徒との距離感が離れないような感じがし、よいと思いました。
また、POLICEのEvery Breath You Takeは接触節を扱う際に、いつもとりあげている曲です。
まあ、私がもともとPOLICEの大ファンで、Stingが大好きということなだけですが・・・。
T先生には「緻密」という言葉でおほめいただきましたが、これまで単発で投げ込み的にやってきてしまったこの曲で、さんざん失敗してきているのが正直なところです。
どんな失敗かというと、投げ込み的にやっているせいで、その場しのぎの授業になっているときが多かったです。
これを次の授業につなげていくことができていませんでした。
昨年あたりから単元の中にうまく配置し、少しだけ、関連付けることができてきたという感じでしょうか。
・関係代名詞をリズムでも捉えさせるような工夫がある。
→ マザーグースのライムなど,すばらしいですね。
※ Tの最大の弱点の1つ,ライムなど,そういうバックグラウンドがない,古い洋楽を使えないのも,知らないからなのです。実は・・・
指導案をよく読みこんでいただき、本当に感謝です。
こういう点を読み取っていただいたことは、指導案を書いているものとしては、ありがたいです。
実は、この日、このビデオを県の教学指導課の主事先生が撮っているのですが、この先生も同じ点を指摘されていました。
優れた授業観を持っている方は、共通したことを感じ取られるのだなぁと改めて思いました。
私は、もともと、大学が文学部の西洋文化(哲学や歴史)が専門で、英文科でもないので、文学に関してはど素人の人間です。
そんな私ですが、大学の時に受けた英詩の授業と田尻先生に教えていただいたマザーグースの活動が最近関連づいてきました。
ナースリー・ライム(マザーグーズ)は、もっと活用されてよい教材といえるかもしれませんね(早口言葉Petere Piper picked a peck of pickled peppers.なども含めて面白いものが多いです)。
・教科書テキストの英文の構造を生かし,それを活用しながら新たなアウトプットへとつなげています。
→ 本時のワークシートも,無理がないですね。これなら生徒がこぼれないでしょう。
※ いや,これは緻密です。 すばらしいの一言!
※ できれば,本時に至るまでの段階も見たい!です。
ありがとうございます。同封したメモ書きにも書きましたが、ジャッキー・ロビンソンの人物紹介がもとなので、少し大げさな紹介になっているところもありますが・・・。
本字に至るまでの段階・・・すみません。現在生徒にワークシートを返してしまったのでないのですが、休み明けにまた回収してみます。
5 本時のねらいを達成している。
・本時の展開部分,囲みの本時の目標(外国語表現の能力)を達成しています。
→ 前半の①から④の部分はほぼ全員がB以上達成ですね。すばらしいです。
Aの割合も非常に高いと思います。
・発表に至るまでのsmall stepsも十分ですね。当日のリハーサル時間も十分ですね。
→ 安心して発表に取り組めています。
事前指導が圧倒的に足りなかったので、リハーサルにかなり時間がとられています。
計画不足でした。
評価の段階を上記のように細かく見ていただいていることに感謝です。
表面だけでなく、評価の観点に従って、見届けをするということを、T先生のコメントから学ばせていただきました。
** 中略 **
7 リフレクションの効果が見られる。
・生徒さん達の振り返りを見ると,「対人意識」に関しての気づきがみられますね。
どう伝えればよいか,言語の部分と,言語外の部分(知識+技能)をどう生かすかを考えています。
→ 認知資源が枯渇すると,音への意識が下がりますね。
(これは当然です。即興場面になるとこちらでも全くそうなります。)
・型をどう生かして発表活動にcreativeに生かすかも気づいていますね。
生徒の振り返りまで細かく目を通していただき、恐縮です。
T先生にご指摘いただいた 「対人意識」に関しての気づきを大切にしていきたいです。
8 気づいたこと
・単元の目標としては,
友がテーマについて話したことについて問答する
友がテーマについて話したことについて自分の意見を述べる
とあります。
本時では,Kさんが発表者の発表に相づちを入れ,反応したり,聞き手の生徒たちに通訳のように膨らませて伝えたりしていますね。reformulationや,elaboration,further informationのように。
一方,聞き手の生徒達からの反応を引き出し,単元の目標につながるようにinteractする部分が少なかったような気がしますが,いかがでしょうか。ここで,What do you think of ---‘s idea? のようにしてはどうでしょうか。
これはご指摘の通りです。
私に不足している点であり、上記のようにすれば、もっと生徒主体の授業になりますね。
インタラクションがうまくできるようになると、AETとのTTだけでなく、生徒とのTTができるようになると、今年、改めて思っております。
難しいですけれど、そういう段階までいくと、授業が楽しくてしょうがない状態になるかもしれませんね。