国研の研究会に参加をしてきました - 自分自身の省察へ

f:id:takaenglishteacher:20140206170139j:plain 帰り道,東京駅から

 

 

今日は国研の研究会に参加をするために新橋まで行ってきました。

 

教科ではなく,勤務校の共同研究の情報収集のために,ESD部会に参加をしました。

 

ESDは,EducationのE,SustainableのS,DevelopmentのDの頭文字をとったものです。

 

持続発展教育,ということで,人と人,人と社会,人と環境のつながりを大切にし,持続可能な社会の実現を目指すための教育です。

 

申し込みの後で,勤務校の研究のベクトルは,「思考」へと進むことになり,直接的にプラスになるかどうか・・・という問題はありましたが,せっかくの機会なので,学んでこよう,という気持ちで出かけました。

 

小学校2校,中学校2校,高校2校,の計6校の発表を聴き,研究協議に参加をしました。

 

何か研究をするぞ,というとき,学校を挙げて取り組もう,という態勢が一番整いやすいのは小学校,そして,教科の専門性の壁が立ちはだかる高校が一番難しいとはよく言われます。

 

しかし,今日は,高校の発表の本気,に感心をすることになりました。

 

ESDとユネスコの活動は太いパイプでつながれており,ユネスコスクールとしての活動や発表の場への参加もあります。

 

新年度が,ESDの年に位置付けられ(国連の決めた10年の最終年(継続が決定)),その世界規模の発表が岡山と愛知で秋にある,ということもあって,逃げられない,という物理的な状況や,そのための財政支援を受けている,という環境があるとはいえ,都会ではない場所に位置している高校が,地元に根付き,地元とつながって活動を積み重ね,周囲を動かし,そして自己効力感を高めながら生徒が成長している姿を目の当たりにして,すばらしいな,と感じました。

 

 

 

行きの電車の中で読みかけのこの本を読破したのですが,小学校での総合的な学習の時間の取り組みをコアに,子どもたちと先生,そして地域などのコラボが織りなすさまざまなことがらを,いきいきと綴った本です。

 

児童・生徒に「~させる」のではなく,彼らが自ら「~する」授業づくりの実践です。

 

この本,本当にいい本ですよ! ぜひ手に取ってほしいです。

 

 

 

今日のESD部会での発表も,6校とも,「~する」子どもたちを育てる実践をしているなと感じました。

 

総合だからこそ,探究的な授業づくりができるのであって,じゃあ教科は,と問われると,やっぱり定着や習熟・・・ということになってしまうのでしょうか。

 

私は違う,と思います。

 

 

英語教育に関するブログや,研修会の数々においては,学習内容をどう教えるか,という教師の手立てのtipsがあふれています。

 

定着させたい,分かるようにさせたい・・・と教師が願う気持ちはよく分かります。

 

でも,最終的に,授業を通してどんな生徒を育てたいのか,と考えると,それだけに終わる授業は彼らにとってよいものなのか,そして,彼らの学びを深め,意味のあるものにするためにはよいものなのか,と考えてしまいます。

 

指導法のTipsや教材づくりのknow-howも大事ですが,やっぱりマクロな視点からまずは考えたい,と思います。

 

 

基礎の積み上げからスタートするだけでなく,ときには,場面を与えて,その中で,学んできたことを活用しながら取り組む活動に取り組む機会を与え,躓いた後で,基礎へと戻ってくる,ということも大切だと思います。

 

 

相手の考えや気持ちを理解したり,説明を聴いてポイントをつかんだり・・・

 

自分の考えや気持ちを相手に伝えたり,事実を伝えたり・・・

 

 

自分のことばをひねり出しながらこうしたことを行うこと=コミュニケーション,を授業の中に,ふつうに位置付けていくことが大切なのではないでしょうか。

 

また,言語材料について説明をしてしまう前に,自分たちで辞書を引いて,語意や例文などを検索させたり,たくさんの意味の中で,文脈にあった訳語を適切に選択させたり,そうしたステップを入れていく必要があるのではないでしょうか。

 

このところ,そうしたことを意識して授業を進めています。

 

以前よりもずっと,生徒が「~する」ことができるような環境作りをしています。

 

 

まずは手立てありき,ではなく,

 

どんなゴールを目指すのか

 

をはっきりと意識し,

 

子どもたちが(もちろん先生の見えたり,見えなかったりするサポートを受けながら),自分たちで気づき,形にしていくような授業づくりを,ますます行っていきたいと思います。

 

基礎・基本を大切にし,習熟を図らせつつも,

 

Try it, Fail it, Try it again, Fail it better!

 

となるような授業を創っていきたいです。