相互文化的能力を育む外国語教育
相互文化的能力を育む外国語教育: グローバル時代の市民性形成をめざして
- 作者: マイケルバイラム,細川英雄,Michael Byram,山田悦子,古村由美子
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2015/07/28
- メディア: 単行本
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書名に魅かれてアマゾンで購入した本を読みました。
単に技能としてことばを学ぶ、ということとは逆サイドから、英語教育や、授業の在り方について考える機会になりそうだと直感で感じたからです。
中学校の現場で働く拙い自分には、正直難しく、重たい本ではありましたが、これまであまり考えたことがなかった、外国語を学校で指導することがどんな意味を持っているのか、ということを考える機会となりました。
バイラムさんのいるヨーロッパの多くの国々は、国境線を他の国と分かち合っています。歴史的にも互いに争うことが多かったことや、ヨーロッパ共同体となってからも、実情として多くの問題を抱えていることなど、周囲を海に囲まれている日本とは環境面で大きな違いがあります。
母語(母国語)以外の言語を学ぶことは、意見の違いを乗り越え、互いにうまくやっていくという目的のためにはなくてはならないことであり、知識や技能としてのみ、表層的に言語を学び、身に付けていくことでは終わらない営みになってきます。
本の中では、世界のたくさんの国の言語教育の様子や、それを推し進める国の政策との関わりなどが紹介されます。
日本の状況についても多く触れられていますが、経済界等、バックグラウンドとして関わっているものの影響を強く受けて、スキルとして英語を学び、身に付けることのみがクローズアップされ、ヨーロッパをはじめ、世界の国々の第二言語の学習の目的と大きな違いがあることが述べられています。
ことばを学ぶことが個人に及ぼす影響
国家としてある言語を子どもたちに学ばせることが含意すること
そうしたマクロな面から、今自分が日々行っている授業が、実は大きな意味を持ったものであることを見つめることができました。
中身が難しく、簡単にポイントを整理して上手に紹介することができませんが、深く考えることができる本です。
よかったら手に取ってみてください!
次は、埼玉のNさんから献本してもらった本を読んでいこうと思います。
あと数日、夏休みが終わるまでに読み終えるぞー!!