今求められる学力と学びとは -コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影-

 

 

英語科の教師としてと同時に,校務分掌として担当している共同研究係の主任として,学校全体の研究について考えなければなりません。

 

学校全体の研究テーマについて掘り下げていくと同時に,国や文部科学省の動向や,他の学校の研究などについても追いかけていく必要もあります。

 

フットワークはよいのですが,肝心の脳みそが今ひとつの自分には,なかなかに厳しい作業です。

 

そういうわけで,歯を食いしばりながら本を手に取り,読んでいくわけですが,速読はなかなかできず・・・なんども行ったり来たりしながらになります。

 

過去の研究主任に話を聞くと,何冊も読むのだから,目次を読んで気になるところを読む,または,斜めに読む,などの方法がいいと勧められるものの,なかなかできません・・・。

 

小さな頃からやんちゃで,本を手に取ってこなかったからですね・・・

 

みなさんは,本,すらすらと読めるのですか?

 

羨ましいなあ・・・

 

 

ただ,何冊も手に取っていくうちに,理論編などについては,重なる部分があることにも気付くようになってきました。

 

そうなると,その辺りはスキップしたり,内容を推測(確信に近い形で)したりしながら肝心なところに集中して読めるかもしれない,と思えるようにはなりましたが・・・

 

 

さてさて,21世紀型能力・・・など,これからの世の中を渡っていく子どもたちにとって必要だ,と言われている「力」があります。

 

でも,さまざまな本を読んでいるうちに,そうした能力を求めているものが,社会,いや,その中でも財界からの要請が本当に大きい,ということに気付きます。

 

以前は,大学は出ていても・・・ということで,企業に入ってから再教育をしていた時代だったものが,不況の影響でなかなか社員教育をすることもままならなくなり,即戦力となる人材を得たいがために,それにふさわしい人材を学校教育の段階で育ててほしい,と下りてきたことなのではないか,と思えてきます。

 

ただ,英語のような技能教科の場合には,子どもたちが単に「わかる」という段階で学びを終えてしまうのではなく,学んだことを実際に活用できる段階にまで高めること,つまり,「できる」というところまで導くことはとても大切だとも思います。

 

「力」について,そういうわけで,全部反対,ではないのです。

 

 

本当に学校で子どもたちに授けるべきものって,何なのだろう・・・

 

そして,その不易と流行について考えてみたくなります。

 

 

この本は,薄いブックレットではありますが,光と影の双方にスポットを当てているので,すーっと納得しながら読めるいい本だなあと思います。

 

みなさんもよろしければ手にとってみてくださいね!