カナダのTさんからの投げかけ
カナダにて、博士課程で学んでいる仲間、Tさん。
山形で現場、それも同じ中学校教師として活躍していたTさんは、日本というEFL環境で、よりよい学びを生徒にさせたい、そのために、研究の道に・・・という夢を追いかけて、カナダに旅立ちました。
お互いの授業も見合っている同志でもあります。
そんなTさんから、
takaenglishteacher.hatenablog.com
この投稿に関して、コメントが届きました。
自分もoral testをやっているので興味あるのですが、このパフォーマンステストの評価基準(採点基準)はどうされていますか。今ルーブリックなども評価のことでは結構広まってきていますね。対話を2分継続できることが主なのは分かりますが、accuracy, fluencyなどどう評価しているのかもし差し支えなければ教えて下さい。 あと、お題の英文の一部ですが、「〜名詞+which I like」よりは、your favourite 名詞、が自然かなあと感じました。後置修飾ならば、the book which I like the most is...くらいなら使うのかなあと。I likeだとfavouriteを使うのが自然なのかなあと感じますがいかがでしょうか(関係代名詞を使用させたい意図は分かりますが、先生がおっしゃる「自然な英語のやりとり」を考えた場合という意味です)
相変わらずするどい指摘ですね。
うーん。
まず勤務校で設定しているCan-Dorリストのうち、即興での対話に関しての部分を見てみましょう。
1年生
2年生
3年生
となっています。
今回は、3年生の真ん中のフレーム、に書かれているディスクリプタを参照し、ここに書いてあることができれば・・・ということなのです。
評価の観点は2つ、
コミュニケーションへの関心・意欲・態度
と
外国語表現の能力
の2つを評価します。
表の下段は聞き手として求められること、が書かれています。外国語理解の能力に該当しそうですが、対話の継続に貢献できる、ということで、アクティブな聞き手になることが求められていて、聞き手の反応も、「表現」の中の一環として観察しました。
関心・意欲に関しては、シンプルです。
対話を継続しよう、という姿勢が見られれば、概ね満足です。
加えて、聞き手としてリアクションをしたり、追加発問をしたり、また、話し手としても、相手を意識したトピック選びをしたり、そんなことをしようとしていれば、十分満足として評価をします。
一方、表現、に関しては、
正確性:
多少の誤りがあっても、ローカルエラーなら許容範囲とします。聞き手が話し手の発話の趣旨を理解し、対応できれば、おおむね満足、として評価をします。
グローバルエラーが頻出する、また、単語レベルのみの発話、また、それでも誤りがある、もしくは、ほとんど発話ができない、そんなときは、努力を要する、と評価をします。
ローカルエラーがわずかに存在する、でも、既習事項を活用して自分の考えや気持ちを伝えたり、事実を伝えたり、説明をしたりすることができれば十分満足です。
流暢性:
不自然な間があまり見られず(あっても、フィラーなどを使って回避すればOK!)、相手との対話のテンポが生み出されて対話が継続されれば、おおむね満足です。
間がほとんどなく、小気味よく対話が継続される、2分間終始それが継続されれば、十分満足です。
実際には、この2つを総合的に勘案しながら観察しています。
どうでしょうか。
Tさんの専門的な観点から言うと、それでも穴だらけかもしれません。
対話テストの様子、あとでぜひ見てくださいね。
そして、コメントやアドバイスをお願いします!
関心を寄せてくれたありがとう、Tさん!