小研究授業① 終わる
今日から、3日間にわたる教育実習生の小研究授業集中日が続きます。
初日の今日は、担当している実習生の一人が先陣を切って授業を行いました。
大変なプレッシャーだったと思いますが、結果から言えば、実習生として等身大、精一杯の授業を展開することができました。
指導を担当する教官としても、本当に嬉しかったです。
今回の言語材料は一般動詞の三人称単数現在でした。
導入で話題にしたのは、3ヒントクイズを使いながら、人物紹介をしていきました。
子どもたちにとってホットな第三者について語りかけます。
OK! Now, let's try three hint quiz!
I'll give you three hints.
Hint one. He is a singer.
Hint two. He likes music.
Hint three. He know a Japanese comedian very well.
What do you think?
ペアで相談をさせて、答えさえます。
子どもたちは「えー?」「誰だ?」と口々につぶやいています。
Another hint!
He lives in the U.S.
鋭い子がつぶやきます。
Austin!
Yes. That's right!
Listen to this song.
ブルゾンちえみwith BのBGM「Austin Mahone - Dirty Work 」
たった30秒ほどですが、子どもたちは喜んで聞き入っていました。
その後、
He knows the Japanese comedian.
Who is it?
Yes. BURUZON CHIEMI.
そして、既習事項である一人称で、自分のことを話しながら、
I like music. Austin likes music.
I know BURUZON CHIEMI. He knows BURUZON CHIEMI.
I know Austin Mahone. BURUZON CHIEMI knows Austin Mahone.
と口頭で話しながら、先ほど黒板に貼った写真についておさらいをしていきます。
板書をして、子どもたちに投げかけます。
What's the difference?
子どもたちの声で、sがついている、ということが出てくると、その気づきを取り上げていきました。
「そうだね! これまで学んできた私、一人称、ではなく、第三者、つまり三人称で、一人のとき、動詞の最後にsがつくんだね。では、練習しよう!」
と言って板書された文をリピートさせていきました。
その後、3ヒントクイズの流れにもう一度乗りました。
今度は、ペアで問題を出し合います。
あるペアを教室の前方に呼んで、実際にデモンストレーションして活動の仕方を示します。これは、実習の中でつかんでいった方法です。言葉の引き出しが少ない1年生には、英語を使って示してもなかなか伝わりません。
実際に生徒に協力をしてもらい、やって見せて、DO LIKE THIS!が一番伝わる、ということを実感してきたからこそ選んだ手法でした。
ある人物について、彼・彼女のセリフを吹き出しにカードを貼って示します。
じゃんけんをして負けた人は手で目を隠します。勝った人がそのセリフを三人称に直して3ヒントクイズの形にして出題します。
最初に示したのは、広瀬すずの写真だったのですが、
吹き出しの中には、
I am an actress.
I often eat meat.
I play karuta in a movie.
と書かれています。
写真を提示すると子どもたち、じゃんけんの勝者はおおー!っと盛り上がり、写真を見ずに目を閉じていた敗者は誰だ誰だと気になる様子が分かります。
こうした流れでお互いに問題を出題し合いました(ちなみに、もう1枚は授業者の実習生の写真)。
形を変えつつも、最初に学んだことが活かせる設計になっているところがよく練られていると思いませんか。この流れを生かし、さらに最後の活動へと進みます。
OK. Finally, let's try another activity.
I'm leaving from this school this Friday. So I'm very sad now.
To say thank-you, I want to give a present to your homeroom teacher, Ms. N.
But I don't have any good ideas. Please teach me. Give me a good idea!
今度は、子どもたちもよく知っている担任の先生に、お世話になったお礼のプレゼントを渡したい・・・だけど、よく先生を知っているみんなに、どんな人なのかを教えて欲しいんだよ、という流れです。
よく考えていますよね。
ペアで相談をする時間を取り、授業者である実習生に生徒たちが意見を伝えます。
My homeroom teacher is Ms. N.
She likes scuba diving.
So 沖縄へのチケット is a good idea.
実習生、とっさにa ticket to Okinawaと言い直すことはできませんでしたが、そんな時の対応は今後の伸び代で、ということにして・・・
思考を深めながら、生徒がアイデアを出して・・・
という流れ、本当によかったと思います。
習熟・定着を重視するならば、sがつく部分の音声表現を大袈裟にして、likeS、eatS、などとして形式に注目をさせることもあるでしょう。
でも、こうした英語は不自然で、文脈に向ける子どもたちの注意も削られていくことになるでしょう。
今回、そこは次回以降の授業に送って、人を紹介する場面で、という文脈づくりを大切にし、意味あるやりとりの中で習熟を図ったこと、本当によかったと思います。
細かな英語の運用など、今後の課題にしつつも、1時間やりきったこと、よかったと思います。
実習生、やるなあ! よかったぞ!
みなさん、どう感じますか?
なかなかやるでしょー?