足もとを見ながら,一歩先も見据えて
2月末を目途に,勤務校の現職教育係が担当している「研究論集」の執筆のための下準備をしています。
金曜日の教科部会では,基本コンセプトについて骨子案を提案し,みなさんから意見をもらいました。
今年度赴任をした後輩に向けて,自分なりに大事にしている物事の進め方も示したいなあ・・・
こうしろ,ああしろ,ではなく,実際にやっている姿をただ見せることによって,感じ取ってほしいなあ,という思いがあります。
他を批判するわけではありませんが,忙しいからとはいえ,出来上がったものをぽーんと示される,ということに対しては違和感を感じてきたからです。
今回は研究主題となりそうな案を2つ示し,それぞれについて設定の理由を示しました。
その上で3つめはメンバーから出してもらってもいいよ,ということで自由な選択肢も残しました。
ディスカッションをする中で,メンバーたちからは1つめのテーマを推す声が強かったことから,提案者としても同意して,そのテーマをもとに論集を書いていくことになりました。
若い頃は自分がやりたいようにやる,周りの声なんておかまいなし,の自分が言うのも,本当に恥ずかしいですが,最近はこういう類のことに,気を配っています。
ところで,半年ほど前に出された
学習指導要領解説(外国語編)
少し先,私たちはこれをもとに授業を展開していくことになります。
その中で,英語科としての見方・考え方が示されています。
外国語活動・外国語科において育成を目指す資質・能力の整理
A)外国語によるコミュニケーションの中で,どのような視点で物事を捉え,どのような考え方で思考していくのかという,物事を捉える考え方
B)外国語で表現し伝え合うため,外国語やその背景にある文化を,社会や世界,他者との関わりに着目して捉え,コミュニケーションを行う目的や場面,状況等に応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,再構築すること
(A),B)は整理のために私が加筆しました)
と,示されても,それらが一体どんなことを意味しているのかを考え,具現化していかないといけませんね・・・
解説の中では:
A)外国語で他者とコミュニケーションを行うには,社会や世界との関わりの中で事象を捉えたり,外国語やその背景にある文化を理解するなどして相手に十分配慮したりすることが重要であることを示している。
B)多様な人々との対話の中で,目的や場面,状況等に応じて,既習のものも含めて習得した概念(知識)を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,課題を見いだして解決策を考えたり,身に付けた思考力を発揮させたりすることであり,外国語で表現し伝え合うためには,適切な言語材料を活用し,思考・判断して情報を整理するとともに,自分の考えなどを形成,再構築することが重要であることを示している。
と,一段階具体度を上げて説明されています。
今後,授業の中の具体的な場面としてはどうか・・・を考えていかねばなりません。
教科部会の中で話したのは・・・
★相手の存在を意識すること(相手意識)をこれまで同様重視する
・相手の興味・関心に応じて話題を選ぶ
・相手の英語力に応じて,また,相手の理解状況を感じ取りながらコミュニケーションを図る(言い直し,理解確認,相手の発話を引き出すかかわりなど)
・相手の話をよく聞く,受容する(話すばかりではない)
・単に伝えるだけでなく,聞き手と双方向のやりとりを行う(インタラクション)
★自分の考えを再構築する
・多面的・多角的な視点からものごとを見つめるために,他者の考えや気持ちを受け止める
・相手の意見を(よい意味での)批判的に受け止め,反対意見がある場合も相手の納得を引き出せるよう工夫して伝える
ばっと思いつくものを短時間で挙げてみても,こんなことが出てくるのかな,と思います。
こうした教科部会でのやりとりを受け,1年生の授業においても:
生徒に,
Why?
と問いかけたり,
ペアでの対話の中で,
You like...... , right?
Sorry, but I don't like... because....
と遠慮せず述べる(ただし敬意を失わず)ようにうながしたりしています。
(3年生のディベート授業につながっていきますよねー)
足もとを見ながら,でも,一歩先を見据えて・・・
ですね!